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小林 栄三さん
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熱く闘うような挑戦をしよう
- 小林
そうですね。伊藤忠は野武士的であるとか、こんな言葉はあんまりよくないですけど、伊藤忠が通った後はぺんぺん草も生えない、と言われたりしていてね。
- 佐々木
そうなんですか。
- 小林
それぐらいいわゆる激しい案件発掘とかマーケティングとかセールスとかをやってきたという、この思いはやっぱり残したいんですよね。だから、ITOCHU Values の中にも「チャレンジ」と「パッション」という価値観がありますよね。熱く闘うような挑戦をしようという言い方をしたい。
でも一方で、昔なら許されたことが、今は違います。商社全般ですがね、例えば伊藤忠だと150年の歴史の中で、少なくとも最初の120年はね、ワンパターンで、ワンビジネスモデルで運営したんですよね。
- 佐々木
それは例えば。
- 小林
2つあってね、1つはね、情報の差を利用したんですね。情報の時間の差とか、情報の質の差とか情報の量の差とか。
- 佐々木
それは世界中に商社マンがたくさんいたから。
- 小林
そう。例えば、大使館以上にオフィスを構えたとか。でも、その優位性っていうのはなくなっちゃったよね。
まず、情報の量はね、その気になったらインターネットで誰でも取れる。情報のスピードも、全く違わない。質は、それは、うちだけが特別な質をもらおうと思ったら、それなりの対価を払ったということを意味するから、それはもうできない。ということは、これらはなくなっちゃったわけです。
もう1つはやっぱり、商社の強みっていうのはいわゆるトレードファイナンスでしょうか。例えば、銀行はリスクマネーをはらなかったんだよね。そして商社にどんどんお金を貸してくれたんだよね。無限だったと思うね。そして商社が逆に、そのお金でリスクマネーをはってたんです。
それで不動産にひっかかったとか、そういう会社もあって、「なんて借り入れが多い会社なんだろう」ということになっちゃって、これは資産効率が悪い。絶対いい会社じゃないなというふうに、日本の商社に対して、国際的に、特にアメリカの格付会社を中心に評価が出た。優良な会社じゃないということになると、今度は例えば貸出金利が上がってくるとか、いろんな意味で逆風が吹いたんだよね。そういうような経緯があって、商社が変わってきた。
変わってきた大きな中で、一番やっぱりわれわれに必要なのは、海外の人材をどう活用するか。
昔はね、ほんとワンパターンで、例えばブラジルに駐在員がいるじゃないですか。すると、日本からブラジルにモノを出す、そしてブラジルから日本にモノを出す。それだけだったわけですからね。
- 佐々木
確かに商社のイメージってそういう感じですよね。
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