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小林 栄三さん
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多様なものの見方を、きちんとマージできるかどうかにある
- 佐々木
今回「Mission, Values, 5 self-tests」の整理をイー・ウーマンでお手伝いさせていただいたんですけど、そもそも一番最初にお声をかけていただいたときに大変印象的だったのは、「伊藤忠は大変にいい会社であり、大きな問題があるわけでない。そんな今だからこそ倫理プログラムを整備し、見直していきたい」という、ご担当者の言葉でした。そして、あまりに沢山のメッセージが会社内に混在していたから「企業理念と行動基準の整理から始めよう」ということになりました。
- 小林
めちゃくちゃ発信してるんですよ。
- 佐々木
社員一人ひとりの腹の底に落ちていく表現方法、ということで一元化するプロセスで世界中の社員の方ともたくさんお会いしましたけれども、結果、みなさんから出てきた5つの価値観から、とてもシンプルでパワフルなメッセージができたと思っています。
- 小林
ありがとうございます。結局ね、なんで今のタイミングかっていうのはね、今おっしゃったように、今の伊藤忠は大きな致命傷を負っていない。でも、社会っていうか、環境はね、ものすごい致命傷を負っているんですよね。
だから、大きな社会構造の変化とか、世界のパワーバランスの変化といった中で、日本が、伊藤忠が成長するためにどうしても越えなくちゃいけない壁っていうものがあるわけです。
それは、やっぱり世界の「ダイバーシティ」、多様な価値観、多様な民族、多様なものの見方を、きちんとマージできるかどうかにあるわけですね。
そのために誰にでもきちんと理解できる考え方に整理する必要、まあそれをこれでやっていただいたんだけど、非常にわかりやすくなったよね。皆さんきちんと理解してくれたと思うんで、伊藤忠のグループで働くときのあなた方の軸足は、これですよということを、これで徹底できるんじゃないかなと思うね。これから3年、5年、10年、20年、30年、ずっとこれを守ってくれれば、恥ずかしくない会社として成長できると思うね。
- 佐々木
次の一手を、あるいは長期的に戦略を打つためには、企業理念や行動基準は非常に重要だと思います。でも、私もいろいろな経営者の方とお話をすると「いや、こんなときに理念なんて」、「とにかく明日の商売考えなきゃいけない」という会社と、「いや、こういうときだからこそ企業理念をしっかり確立させ、企業理念を社員につたえていく」という会社と大きく分ければ2つに分かれています。伊藤忠は、その中でとても優れていていると、僭越ですが、感じています。
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