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川本裕子さん
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「失われた3年」ということは確か
- 川本
やはり前政権に対する閉塞感がとても大きかったと思います。1990年代に景気対策として公共投資ばかりして、景気の浮揚はなかった。そして国の借金が大幅に増えていく中で、2001年に、このままではいけないんだ、ということで、小泉首相が選ばれました。
小泉時代を振り返ると、以前よりも世の中の空気が自由になり、自分たちの可能性を信じられるという意味で前向きだった、と私は思っています。ところが、その後3年間は首相が毎年変わり、国民の意識とずれている。特にこの1年間は、改革は逆行、これは数字を見ても明らかです。とにかく選挙を待つだけみたいになり、国民は待たされ続けました。リーマンショックへの対応が選挙対策にとってかわり、「失われた3年」ということは確かだと思います。新政権になって、また自由な雰囲気になるといいな、と思います。
- 佐々木
自民党の失敗が、すごく分かりやすい形で表れていた気がするんですよね。コロコロと1年ごとに首相が変わったことは、目立ちました。我が家の小・中学生の子ども達でも、「小泉さんははっきりしていたけど、他の人ダメだ」「お母さん、総理大臣って、こんなふうに、途中で投げ出しちゃったりして」と質問してきました。難しい政策論争まで行かなくても、何だかこの人達はダメなのではないか、という印象が広がった。
- 川本
派閥とか大物政治家とか、とにかくやってることが古い。年功序列で人材が育たず、解決策が示されない。日本の政治が劣化してしまっていた、ということですよね。
- 佐々木
経済界から見ると、どうなんでしょう。
- 川本
経済界も含め、あらゆるシステムが、自民党一党支配の元に作り上げられてきて、そこにしがらみも既得権益もがんじがらめになっていた、という感じでしょうか。経済界もこれまで自民党と非常に強いパイプを築いてきたのだけれども、これからはこれまで「知らない人達」が政治を行うということでの戸惑いがあると思います。
- 佐々木
でも、それはいい戸惑いですよね?
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