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リシャール・コラスさん
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マドモアゼル シャネルは19世紀末に生まれた人です
- コラス
孤児で、修道院に長い間いたんです。自分のお父さんが迎えに来るといって、迎えに来なかった。それで1人になってしまって。お姉さんがいたのですが、そのお姉さんがものすごく落ち込んでいたから、彼女は「自分が頑張らなくちゃ」と思ったようです。
それと修道院というのは、昔はすごく厳しかったんですね。そこに10年間孤児として閉じ込められたので、自由になりたかった。彼女は怒っていたとみんなは言うんだけど、これは僕は性格だと思いますよ。
- 佐々木
生まれもって、爆発しそうなエネルギーがあったんでしょうか。
- コラス
子どものころ、10年間閉じ込められて、自由になった瞬間にバーンと。
- 佐々木
飛び出たんですね。でもそれは逆の人だっているわけじゃないですか、10年間も閉じ込められていたら。
- コラス
性格はさまざまですよね。
- 佐々木
そして彼女が、帽子からスタートした、ということですが、シャネルが自分でデザインして、作ったりしたんですよね? その帽子作りの技術、洋裁の技術というのは?
- コラス
修道院の中で勉強したんです。当時の女の子は勉強しなければならないことがいくつかあったんですけれども、その中の1つが洋裁だったんです。洋裁ができることと、お料理ができること、後は何でしょうね。
- 佐々木
つまり今の私たちができないことですね。
- コラス
ハウスワイフになるために、当時の女性はそうでした。たとえば、私の母は87歳だけども、全部できますね。私の妹の洋服は12、3歳まで全部母が作ってた。
- 佐々木
そうですね。たしかに我が家もそうでした。全部、母が私の洋服を作ってた。
- コラス
料理はいまだにすごく上手だし、当たり前。その私の母が生まれたのは20世紀の初め、1923年だけれど、マドモアゼル シャネルはさらに昔、19世紀末に生まれた人です。
- 佐々木
マドモアゼル シャネルは帽子店を作ったり、会社を大きくしていくんですけど、風当たりというのはなかったんでしょうか。まあ、そんなものはあったって関係ない、楽しんでいる、ということでしょうが。
- コラス
彼女は牛みたいに、ウワァーッて真っすぐ走っていく人でね。
- 佐々木
私と似てるかもしれない。
- コラス
すごく真っすぐで、たぶん彼女は余計なものは無視してたと思うんですよ。無視しなければできなかった、つぶされてたでしょうね。とにかく性格はものすごくパワフルで。
- 佐々木
彼女、イノシシ年かな。私と一緒だったりして。
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