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伊勢崎賢治さん
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武装解除そのものは非常にロー・プロファイルなオペレーションです
- 佐々木
日本が、伊勢崎さんを任命し、日本人が中心になって、アフガンの武装解除をした、日本がすごく大きな役割を担ったということは、メディアでは大きく世界的に出たんですか?
- 伊勢崎
CNNでは見ましたね。
- 佐々木
それは「日本が役割を果たした」みたいな報道ですか。
- 伊勢崎
日本という名前は出たかなあ。あまり宣伝しませんでしたものね。だって、完了のときにワーッとお祭り騒ぎをするので、武装解除そのものは非常にロー・プロファイルなオペレーションですから。国連がやる場合も非常に粛々とやるんですよ。だから、華々しいものじゃないです。
- 佐々木
そこって、どうなんでしょう。先ほどの「なぜこんなに日本は海外のことに疎いのか?」という、日本国民が学ばなければ、という観点からすると、伊勢崎さんのような方が、前線で活躍されているところに、もう少しスポットライトが当たったら、それこそ誰かが旅行やボランティアに行って、亡くなるとか、けがをするっていうことからじゃなくて、「そんなところで日本人って貢献したんだ」っていうのにスポットライトが当たり、その地域の問題に関心が持てるようになるのではないでしょうか。
- 伊勢崎
いや、そういうものでもないです。あまり華々しくしちゃうと、これはおかしくなって、じゃあ何でも金で解決して、だって、戦争犯罪の問題を金で解決しているようなもんですから、あまり華々しく派手にやってもらっちゃ困るんです。だからこれは粛々とやるしかないんですよね。
それが完了して本当に平和が訪れたときに、お祭り騒ぎをやればいいと思います。外務大臣とか首相が行けばいい。
- 佐々木
そうですね。そこで、そういうところに貢献したとか、存在意義を伝えればいいです。
- 伊勢崎
なので、これは言えないですよね。たぶん日本政府にとって、あまり都合のいいことじゃなかったんでしょうね。正直、自衛隊を使わなくても有効な貢献ができたっていうことは、あまり言いたくなかったんでしょう。
- 佐々木
ちっちゃいですね。
- 伊勢崎
うん、ちっちゃいと思います。で、アメリカの言いなりとまではいかないでしょ? 一応自尊心はあるから、そこまでの服従の態度ではなくて、アメリカに許してもらうということですよね。このぐらいしておいて、アメリカのお目こぼしに与る、という態度でしょう?
アフガンの武装解除では、アメリカの軍首脳部と対等に付き合っていたし、彼ら我々の立場を一番良く理解していて、武装解除を大変感謝しているんですよね。給油を止めたって、全然大したことありません。
- 佐々木
給油を止めても、別に大丈夫ですか?
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