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伊勢崎賢治さん
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日米地位協定を見直さなきゃいけないんです
- 伊勢崎
だって、アメリカに文句を言われる筋合いはないじゃないですか。そもそも在日米軍基地の思いやり予算だって4,000億円やっているわけですよね。
それに、知ってます? イラクで大問題になっているんですが、イラクの多国籍軍に対しての国連の承認の期限が今年で切れるんですよ。それでアメリカであろうとも、イラクという独立政府と、一対一のいわゆる地位協定を結ばなきゃいけない。それで地位協定の内容っていうのはアメリカが出しているんですけど、その内容に対してイラク国民が怒っているんです。一番感情的な部分は、犯罪を犯した米兵の法的な保護、つまり外交特権イミュニティの部分ですよね。この内容は、前の米占領政府時代の条例から引きずっていたんですよね。
金ですから。ブラックウォーター事件、ご記憶ですよね? 米政府に雇われた民間の軍事会社がイラク民間人を惨殺しましたが、彼らもこのイミュニティを与えられており、イラク司法は起訴できない。それと同じ仕組みに自衛隊が組み込まれていたんですよ。サマワでね。全然知られていないでしょう?
で、今度は米の軍事作戦が、後に国連の承認を受けて多国籍軍になったでしょ。その承認が今年切れると新しい枠組みが必要になって、地位協定が必要になってくるんです。地位協定って、日米地位協定と同じですよね。で、イラク国民が反対している内容は、日本のより、いいんですよ。
何がいいかっていうと、イラクで米兵が業務外で起こした事件はイラクの司法が裁けるという……。日本のより、いいでしょう。日本の婦女子に対するレイプや殺人は、ほとんどが業務外でのことですからね。でも、これにさえイラク国民は反対しているんですよ。で、日本の地位協定っていうのは、これ以下なんですよ。だから、何でアメリカに文句を言われる筋合いがあるのかってね。これを契機に日本は、日米地位協定を見直さなきゃいけないんですよね。
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