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アルトマン京子さん
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1+1=2、とは限らない
- アルトマン
あとたとえば、父は、それぞれの文化の違いや、考え方の違いがあるから、常に考え方は柔軟にするようにって、教えていたと思います。よく覚えているのが、学校からの帰ってきたわたしが、父に、「今日算数で、1+1=2だって習ったんだよ」と話すと、「本当かい?」と、私に挑戦してきたんです。
- 佐々木
他の答えもあると?
- アルトマン
父は、1+1=2というのは、10進法での話で、2進法だったら、1+1=01とかになるんだと、いろいろ算数の話をしてくれたんです。もちろん、小学生の私には、父の説明はまったくわからなかったんですけど、「常識」といわれることに疑問を持ってもいいんだということを学んだ記憶があります。
- 佐々木
それが、京子ちゃんが、他人の固定概念にチャレンジしたくなる源なのかもしれないですね。私もそういう発想、大好きです。
- アルトマン
でもね、一方で、父は敬虔なクリスチャンだったので、神との関係の中での絶対的な善悪の概念があって、正しいと思うことには断固として立ち向かっていました。たとえば、韓国人ではないけれど、日本に住む外国人だからと、在日韓国人の権利を守ろうと日本政府にいろいろ働きかけてたんですね。それで、80年代の後半には、入国を拒否されて、日本の大学で教えられなくなって、2年間、韓国に住んで日本の大学の姉妹校で教えたこともありました。
- 佐々木
国外追放ですか!
- アルトマン
その後、外国人に対する法律が変わりましたよね。父は、日本に戻って来られて、大学の教授をしていましたけれど。多くの人が、父一人の行動で、何も変わらないんじゃないかって疑問をいだいていたんですけれど、父は、少しずつでも、一歩ずつでも、その変化が大きな変化になるんだって信じて、行動を続けたんです。そんな姿は、子どもだった私にとっても大きな教えとなったと思います。
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