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野口悠紀雄さん
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ロンドンに行くのがいいと思うんです
- 野口
私は外国に行ったらいいと思うんです。私は一番いいのはロンドンに行くのがいいと思うんです。ロンドンの地下鉄がそのうち4ポンドになると、私も乗っていないんだけれども。
- 佐々木
私も最近は行ってないですね。
- 野口
嫌だから行ってないですよ。4ポンドって千円ですよ。
- 佐々木
すごいですね、それでまた1ポンドコインが重いんですよね。
- 野口
大きくてね。そういうのが本当に嫌でしょ。なぜ嫌かというと、私は90年代の中ごろに、1ドル80円ぐらいだったときに、家族を連れていったんです。ヨーロッパの王侯貴族のように家族を引き連れて、ロンドンのクラリッジズなんていうホテルにね、あれは天皇陛下しか泊まらないと思っていたのに、何日泊まっても平気なんですよ。
これは何たる素晴らしい時代だと思ったんですよ。私はそういう時代に行っているから、今ロンドンに行くのは嫌なんですよ。だけど行ったらいいと思いますよ、行ったらいかに世界が変わったかということが分かると思うんですよ。
- 佐々木
やはり島国である日本の人たちは、食べられなくて困ることもなく、仕事がないと言ったって何でもやる気になればあるし、24時間レストランはあいているしというような中にいると、先ほどのニュースをニュースと読めなかったり、学ぶことの重要性や次をつくっていくエネルギーが出てこない。それで欲もなくなっちゃうということですね。
- 野口
欲がなくなるというのが一番困ることなんですよね。
- 佐々木
偉くなりたくない。
- 野口
中国人や韓国人は偉くなりたいわけですね。ハングリー精神があるんですよね。
- 佐々木
ハングリー精神があるわけなんですよね。そうすると、今の日本は、何が問題かというと、欲のある人が少なくなっている、ということなんでしょうか?
- 野口
そう、間違いなくそうです。それは日本が中途半端に豊かになったから。だからおっしゃるように、まあ、何とかやっていけると。それは中途半端にですよね。だから駄目なんですよ、欲がないから。それを当たり前の言葉でいえば、ハングリー精神がないとか、向上心がないとか、そういうのですね。はっきりいえば、欲がない。偉くなりたいのは格好悪いことであると。
- 佐々木
どうしてそうなっちゃったんでしょう。韓国の人や中国の人は、確かに、これをやればスターになれる、もっとお金持ちになりたい、あのうちに住みたいと常に上を歩んでいて。でも日本は違う。それに、女性の社会進出もちょっと似たようなところがあって。別に偉くならなくてもいいというようなところに、どうしても話がいっちゃっているんですよね。それはやっぱり……。
- 野口
これはね、変えるのは難しいですね。
- 佐々木
昔からいわれている「みんなが中流」みたいな社会が駄目なんでしょうか。それこそアメリカだったらば、お金持ちになれば、あんな豪邸に住めるというのが見られたり。きっと中国の今もそうですよね、韓国ももしかするとそうですよね。
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