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野口悠紀雄さん
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もはやスタンフォードには入れないんです
- 佐々木
先生は、大蔵省の時代の留学が初めての海外ですか?
- 野口
そうでした。外国に行ったのはそもそも初めてでした。1968年。
- 佐々木
まだ留学する人はそんなに。
- 野口
そんなことはないですよ。私の同僚、かなりいますよ。しかも私の世代は留学してマジメに勉強して学位を取っているのがかなり多いです。今の世代の方が留学していないですよ、外国には行くけど。
- 佐々木
学位を取らないで、短期間の英語学校に行ってきました、ということですか。
- 野口
そう、それが非常に多いです。それは驚くべきことで。1年前、スタンフォードにいたんですが、そこで興味を持って留学生の数を調べてみたんですよ。スタンフォードの大学院ですね、1990年ごろ、日本と韓国と中国の留学生は大体120人ぐらいで、同じなんです。で、調べたのは2004年ですけれども、とんでもないことが分かった。中国が300人を超えて350人ぐらいかな。
- 佐々木
国の政策で、どんどん出しているんですよね。
- 野口
それもあるんですが、それだけでなくて個人でも来ているんですよ。中国はまだ驚かないんですけどね。驚くのは韓国なんです。韓国も200人を超えていますね。日本は半減ですよ、60人。このことをみんなに言うと、それはね、日本の経済が駄目になって、企業留学がなくなったからだろうと言うんですが、そもそも企業留学でいこうというのが間違いだと私は思っているんです。要するに、もはやスタンフォードには入れないんです。
- 佐々木
それは、もしかすると受験者数で調べたら、もっと悲惨なことになるかもしれないということですね。
- 野口
それはあまり見たくない。
- 佐々木
今のお話だと、アプライする人がいないのではなくて、それ以前のこと。
- 野口
アプライしてリジェクトされた人の話を私は具体的に何度も聞きましたよ。今スタンフォードのビジネススクールは、東大出た人ですら入れないですよ。リジェクトされますよ。そういう状況なんです。
- 佐々木
それは、英語の話でなく、日本の教育の問題に落ちてきたんですね。
11/23
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