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野口悠紀雄さん
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だから日本は停滞しているんです
- 佐々木
考える時間を持て、ということ以外に、先生は、これからの日本人ってこんなふうに物を考えたり、行動していかなければ駄目なんじゃないかというお考えはありますか?
- 野口
今世界で何が起こっているかを冷静に理解することですよね。ほとんどの人が理解していないと思うんですね。だから日本は停滞しているんです。
- 佐々木
例えばどういう?
- 野口
例えば、90年代以降の世界は非常時だったんですよ。それは社会主義圏が崩壊したことと、それからITの変化。この2つで経済活動は非常に大きく変わりました、それを全く理解していない。
例えばごく最近の例でいえば、先日アイルランドが欧州連合(EU)の条約の批准を拒否しました。あれに対して私は日本人がどう考えているのか、新聞の社説を見てみましてね。驚くほど同じ意見ですね。全く理解していないんです。
つまり日本の新聞の言っていることは、EUはいいことである。欧州を統合するのはいいことであると。しかしアイルランドのバカどもは、それを理解していないんだと。アイルランドの議会は理解したんだろうけれど、国民投票にかけちゃったものだから、否決されたと。「何たるバカ者ども」とは書いてないけれど、そういうニュアンスで。これは全く実態を理解していないと思いますね。アイルランドにとってEUは必要ないんですね。できることならば脱退したいんです。
- 佐々木
どうして日本は理解しないんでしょう?
- 野口
1つは大組織の力が強すぎるからですよ。大組織の中にいる人は外で何が起こっているのか全く分かりませんね、興味も持ちませんね。
- 佐々木
持たなくていいように、洗脳されて育っているのでしょうか。
- 野口
そうしないと生き抜けないというのがあるわけです。それともう1つは言葉なんですけどね。言葉というのは英語です。はっきり言って、英語ができない。
- 佐々木
それは確かに、海外の会議などに出席させていただいた場合も、日本からの出席者は極端に少ない。
- 野口
だってしゃべらなかったらバカと思われるのが1つで。
10/23
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