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田澤 由利さん
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よかったんですよ、北見の生活が
- 佐々木
それで、田澤さんが北見に行かれた時には、またいつか帰ってくるのかと思っていたんですが、定住してしまいましたね。私、イー・ウーマンを作ったら、「表参道のIT女社長」とかって一時期言われ、一方で田澤さんは「北見に住む主婦」って、同じような雑誌に出ていたことがあって、「間違ってる! 田澤さんの方こそIT起業家なのに」ってずっと思ってました。北見に住む主婦は、大きな間違いです。ITの本もたくさん出版しているわけだし。
だから戦略ですよね、絶対的に北見に居続けるのはプラスです。東京に来ちゃったらダメですよね。東京や大阪にいたらユニークさが半減するじゃないですか。
- 田澤
そうですよね。埋もれてしまうんですよね。
- 佐々木
だから、田澤さんって、すごい戦略家だと思って。
- 田澤
戦略じゃないんですよ。いや、本当に、夫の転勤先が、たまたま北海道の北見であったので。行く時も、やっぱり嫌だって言ったんです。
- 佐々木
スタートは、そうですよね。でも、奈良や仙台より北見のほうが格好いいもん。
- 田澤
正直、嫌というか、当時は名前も知らないところだったので、行くの、大丈夫かなって。で、行った時の子どもの状態が、5歳、2歳、5ヵ月なんですよ。もう、誰でもいいから手伝って〜というような時で、正直、親のそばに帰りたいぐらい大変だったんですね。これではもう絶対に仕事を続けられないぞ、と。しかも北海道のオホーツク、流氷が来るって聞いて、5ヵ月の赤ちゃんが凍え死んじゃうんじゃないかって思うぐらいだったんです。
- 佐々木
私も北見、オホーツクって聞いて、初めて、北見の位置を確認しましたもの。
- 田澤
そうですよね。で、そこに行って、正直、2年ぐらいいれば帰れるだろう、その間はできるだけ北海道の観光を楽しんで、と思っていたんです。ところが、よかったんですよね、北見の生活が。もう本当に、自然もいいし、人もいいし、食べ物もおいしいし、渋滞もないし、子育てをするには最高だなと思って。
たまたま、さっき「大変だった」って言った3人が、ちょうど子育て時期の、一番伸び伸び育ててやりたいという時期だったので、ここで、少なくとも子育てだけはしたいっていう思いがすごく強くなって。その途中で会社を作っていますけれども、ここでずっと会社は大変だろうなって思ったんです。だからそんな、戦略じゃないんですよ、本当に。でも実は、北見に行って1年半で、夫は東京転勤になってるんですね。
- 佐々木
そうでしたよね。それなのに、帰らなかったんだよね。
- 田澤
普通、どう考えても東京に行きますよね。
- 佐々木
そう。だから戦略家だなって。そこで夫についていかないで、夫だけ行かせちゃうところが、すごいと思って。やっぱり、北見の中で、北見にいるっていうことを、こんなにもプラスに活用している人はいないと思った。
- 田澤
そうですね。
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