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浜田宏さん
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女性役員どころか、部長、課長レベルの外国人も
- 佐々木
弱くした男の人たちを使っていった方が楽な経営なんでしょうか。女性活用はダイバーシティーの第一歩で、違う、異質なものを入れていくということですが、そうなると、経営自体が複雑になるわけじゃないですか。体力もいるしね、心もいるでしょう。
- 浜田
だから本当に、僕などは異邦人というかね、エイリアンみたいなもので。日本のいろいろな企業とお仕事をしていますけれど、女性役員どころか、部長、課長レベルの外国人もほとんどいないじゃないですか。2、30年前と全く変わらない。何でかなって考えても、よく分からない(笑)。
- 佐々木
劇薬って言ったら変ですけど、やっぱり外国人とか女性とか、多様な人を役員に入れてみることが必要なんじゃないかな、って思うんです。それが本当に正しい答えかどうかは分からないけれども、順番を追っていこうとすると、またあと20年、30年とか、かかりそうな気がするんですよね。
- 浜田
アメリカでは、アファーマティブ・アクションという法律があったから、最初は異論もあったけど、だいぶ変わったでしょう。
- 佐々木
もちろん日本も変わってきて。振り返ると20年前は、商談に行っても全部男性で、私のところに取材に来る人たちも全員男性。でも今は、それは大きく変わって。ビジネスでも女性に会うし、取材が全部女性チームで来ることもある。小さな変化ですけど、日本も少しずつ変化してきているのかなと思います。ただ、役員とか、企業の決定権者という視点からすると、全くまだ足りなくて。
- 浜田
足りないですよね。
- 佐々木
経営陣が受け入れようとし始め、頭では分かっているけど、心では分かっていないというか。
- 浜田
彼ら自身が経営陣になるころには、20何年間、こう言ってはなんですけど、会社の中の男尊女卑的な環境で育ってきているから、家に帰ったら逆で、ボコボコに奥さんに言われているんだろうけど、会社でどう接していいのか分からないと、かえって身構える人が多いみたいですね。
- 佐々木
私もいろいろな企業の、経営のトップの方たちとお会いする機会があるんですけれど、ダイバーシティーの話がテーブルに上がるようになったけれど、その言葉づかいから、本心では取り組んでいないことが、すぐにわかったりするんです。
たとえば、「多様性のある会社になろう」ではなくて、「多様性に対応しなければならない」といったような表現。「わが社は女性活用に取り組んでます」と言った矢先に、「女の子にコピー取らせますから」って。そう言った瞬間に、本音がばれる(笑)。
マインドが変わっていないと、いくら頭ではダイバーシティーだ、女性活用だって言っても、少なくとも、永い間被害を受けてきているセンシティブな私たちには、すぐにばれちゃう感じがするんですよ。
10/24
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