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高橋典子さん
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自分が満足するだけで終わってはいけない
- 佐々木
「KA」のステージの中で、ソロのパートがあるというのは、かっこいいですが、バトンだから落っことしちゃいけないし(笑)、毎回いい緊張でしょう。
- 高橋
落とすこともあるんですよ(笑)。
- 佐々木
人間だから落とすこともあるとは思うんですけど、ソロのパートがあるということは、ものすごく嬉しいことじゃない?
- 高橋
はい。そうですね。そこだけなんですよ。ソロっていうのは。その舞台の中で。
- 佐々木
すごいことですよね。
- 高橋
はい。大変ですけどね(笑)。毎回、ドキドキするんですよね。毎回ドキドキするんで、いかに、いいドキドキを持って、いい状態で舞台に立てるかというのが、一番大変なことかもしれませんね。楽しいことでもありますけどね。
- 佐々木
そうですよね。フィギュアスケートなどを見ていても、本当に、練習では何の問題もなく、できたことが、本番ではできなくなったりしますよね。ですから、いかに高橋さんが、毎日やられていることのレベルが高いかっていうのを、私は感じるんです。バトンって、すごい速さですしね。
- 高橋
本当にそのとおりで、練習では100回やれて、120回できることでも、本番は、また違うんですよね、これがね。
- 佐々木
でもすごく精度高いですよね?
- 高橋
大会のときは、何て言ったらいいんだろうか、出て、どれだけ自分ができるかで、終われることなんですけども。でもショーに出るということは、お客さんはお金を払って見に来ているわけなんですよ。自分が満足するだけで終わってはいけないことなのです。
まあ、失敗するときも、もちろん、あるんですけれども、完成度の高いものだけを、そこではやるようにしています。そういう意味では、難しいこと、本当は3回できる、ということも、2回をいかにきれいに見せられるかというふうにやるようにしているんです。
だから難しいものへの挑戦ではなく、いかに完璧に、100%よりも120%をできるように、というのをやっているんですね。
- 佐々木
それがプロということですよね。プロは、お金をもらっている仕事っていうことでしょうか。
- 高橋
仕事ですからね。
- 佐々木
自分ばかりのことを考えて、今日はこれに挑戦しようというようにはいかないですよね。
- 高橋
そうなんですよ。
- 佐々木
でも欲求もあるわけでしょ? いつものはきれいにできているけど、本当はもっと上のレベルも取り入れて、さらにきれいにしたいという夢がある。
- 高橋
それは裏で練習ができるわけです。裏でというか、自分が今日これをやろうというものを練習しながら、もしこれができるようになったら、じゃあ、それも入れようということも、もちろんできる。練習しておいて、やってみようかなって入れて。それをまた、こなしていってというようにしますね。
だから自分の部分も少しずつですけれども、変わってはいるんですよ。それは、もしかしたら人には、なかなか分からないんでしょうけど。
- 佐々木
でも自分では、技術的に、ここができたとか、レベルが上がっていったとかって感じが面白いんでしょうね。
- 高橋
はい。
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