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張 晞さん
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渡した後は、すべてお客さんの責任になります
- 佐々木
そうですよね。インターネットが普及して、あまり旅行会社を通さないで、個人が格安をどんどん探したり、あるいは直接、航空会社からも買えるようになりましたから、起業当時と市場が変わってきていると思うんですが、その辺のダメージはないですか?
- 張
あります。一番ダメージがあるのは、ホテルですよね。ホテルは、やっぱり皆さん直接予約をするようになりました。旅行会社を通さなくても、今、どこのホテルでも安くしているんですよね。それは一番のダメージなんです。でも、何かあったときのフォローは個々だと、できないんですよね。ホテルはこっち、航空券はこっち、となると、なかなかトータルケアはできないです。
日本人のお客さまは、日本が比較的安全ですから、危機感があまりないです。それが、日本人の海外旅行のマーケットが一番成熟できないところじゃないかなと思います。
- 佐々木
海外旅行のマーケットが成熟できない。
- 張
アメリカの人が旅行をするとき、もちろん自分でやっているんです。その代わり、自己管理をすごくしていますよね。でも日本人の場合は、自己管理がまだできていないのに、バラバラに買っちゃう。
そうすると、極端な例なんですけど、例えばホテルの予約をしたと思ったのに、実は予約が取れていないことがある。再確認を全くしないから。
それから、自分の責任、例えばクレームがあれば、「とにかく誰かに言えばいい」と。「じゃあ、自分の責任は何ですか?」。自分がチェックしていないっていうことは忘れているんですよね。とにかく相手を責める。自己責任を放棄。
例えば、航空券。もし出発前に名前が間違っていたら、以前だったら、チケットを渡した後でも、旅行会社の責任になりました。
でも最近は、渡した後は、お客さんにも大きな責任があります。チェックをしないのはお客さま。今までは全部、旅行会社が赤字を背負っていたんですよね。渡した後でも、間違ったら、こっちの責任になりました。
- 佐々木
それは、チケットの名前が、例えば私が「佐々木かをり」って予約していたのに、違う名前だったということですか?
- 張
例えば、お互いに名前などは、確認してから発券しますよね。なのにここで、例えば「佐々木かをり」はMs.なのに、Mr.でつくってしまった。でも、チケットは渡しました。出発当日になったら、空港で性別が間違っていることがわかって、乗れない。そうなると、当然、旅行会社に責任はありますけれども、チェックをしていないお客さんにも責任があります。
- 佐々木
今は、両方になったんですね?
- 張
そうです。昔は完全に100%、旅行会社だったんですよね。
- 佐々木
そうか。だから日本の人たちが、今は、インターネットでサクサクと、バラバラにやるけれども、その割には、張さんから見ると、みんな、チェックもしていないし、結構甘くてトラブルがあるかもってことなんですね。
- 張
そうですね。
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