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張 晞さん
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「ノー借金でやっていく」という方針で
- 佐々木
旅行会社は、何が難しいでしょう? 個人のお客さまが多いと、皆さんお金を払って予約するから、あまりキャッシュフローは心配ないのかなって。そんなことはないですか?
- 張
そんなことはないです。今、利益が、ものすごく薄いんですよね。お客さんから払っていただいている部分だけをみると、経営資金はそんなに苦しくはないんですけど、実は私たち、航空会社にもキャッシュで払っています。
で、今、だんだん、弊社は、中国あるいはアジア専門になっているんですけれども、今、中国はビジネスのお客さんがほとんどですよね。観光のマーケットは、どうしても、まだ低迷しているんです。
やっぱり企業との契約は、すべて月末決算とか。そうなると、こっちは何千万円ものお金を毎月出さないといけない。航空会社にお金を払うのは、全部キャッシュなんですよ。もちろん、契約して、分割払い可能なんですけれども。
でも私から見れば、会社立ち上げの、一番苦しいときに、誰も助けてくれなかった。全部キャッシュっていう条件じゃないと付き合ってくれないのだから、「今さら、別にいいや」っていう気持ちがある。
もう1つ、プライドも持っている。この業界では、信用がやっぱり大事ですから。どうしてもキャッシュで払うっていうことは、信頼につながっている。だから今、ずっとキャッシュなんです。
- 佐々木
お客さまからは、クレジットカード払いだったりするので、キャッシュが入るのが遅れるってことですよね? そうすると、すごく資金繰りが必要なんだ、やっぱり。
- 張
そうですね。2カ月前の成績が、大体2カ月後に分かるんですけれども。資金の苦しいのも、もちろんありますけど、最初に会社を作ったとき、外国人だし、銀行は付き合ってくれない。何も信用がない。担保もないし。お金を借りたくても借りるところがなくて。
で、いまだにノー借金で、ずっと頑張ってきて。でも、例えば、大きくすることはいくらでもできます。正直言って、今、ノウハウも持っているし。でも、「ノー借金でやっていく」という方針があって、だから、ずっと10人前後の人数で、オフィス1つでやっている。
- 佐々木
イー・ウーマンも、ノー借金です。
- 張
すごい。
- 佐々木
確かに、格安の旅行会社って、1つの旅行で利益が1,000円とか。
- 張
もっとひどいときもありますよ。10%も全然ない。みんな、航空券を払うとき、十何万円とか、「高いな」とか思いながら。実は、旅行会社の利益は本当に少ないんです。
- 佐々木
以前、本当に昔ですけれども、親切にしてくださった旅行会社の方に、私が「1,000円安くなりません?」って電話で言ったら、「僕たちの利益が1,000円なので、1,000円安くなりません」って言われて、すごく驚いたんです。
- 張
もちろん1,000円だったら、単純に手配なんです。航空券1枚の予約とか。だから、それは別にいいんですけど、特殊な手配とか、特殊なケア、フォローとか、アフターフォロー、アフターサービスの部分では、ちゃんと利益をいただく。
- 佐々木
ちゃんと利益を得ないと。
- 張
やっていけないです。
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