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張 晞さん
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日本の旅行会社で営業トップになっていました
- 佐々木
日本の旅行会社の営業でトップですか。何人の会社でしたか?
- 張
そのとき、27人ぐらいの会社だったんですけれども。外国人の私には、日本の旅行会社で営業トップになるのは、本当に辛かったというか。
- 佐々木
それは、いろいろな工夫をされたのでしょう。
- 張
旅行会社としては結構大きい方なんですけれども、やはり、私自身がまだ日本に来て2年もたっていないから、言葉の面の問題もありました。でも、一番辛かったのは、ビジネスの習慣。会社内部の社員同士の気遣いとか、すごく辛かったですよね。今から見れば日本のビジネスの常識なんですけれども、私にとっては全く分からないことだったんです。
例えば社員、スタッフ同士でも、外から電話をかけるとき、「お疲れさまです」ってい言いますよね。そういうことが言えなかったんですよ。誰も教えてくれなかったんです。でも、「他のスタッフがこうやって言っているな」とか思いながら、とにかく、まねをする。そういうのを、だんだんやっていって。
- 佐々木
でも、お客さんは日本人でしょう? だから、トップセールスってことは、相当、張さんは、お客さまとのやりとりが上手だったってことなんじゃないですか?
- 張
そうですね。たぶん、聞き取りにくい日本語で一生懸命言っているので、お客さんに気持ちが、伝わったと思うんです。
- 佐々木
でも、言葉のたどたどしさだけで、27人のトップになることはないでしょう。他の社員にしてみれば、「どうしてだ」ってことになりませんでした?
- 張
そうですよね。やはり最初は無視されたり、社員同士の中に、いじめも、もちろんありましたけれども、幸い、言葉があまり分からないから(笑)。
- 佐々木
いじめられても気づかない(笑)。
- 張
逆に、分からないから、よかったかなって。
- 佐々木
それでいいんですって。「言葉が分からない人同士の喧嘩は、さっぱり終わる」って、よく聞きます(笑)。よかったかもしれない。
- 張
かもしれないですね。で、よく分からないから、終わって。でも、今考えると、ひどかったなと思うんですけど(笑)。だから、自分が会社をつくったときには、絶対に、こういう社員同士のいじめとか意地悪とかをなくそう、と。それでチームワークをつくったんです。
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