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1日目の円卓会議の議論は... |
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最近、「地産地消」という言葉をよく見かけるようになりましたね。80年代の半ば位から各地の農業関係者の間で使われるようになり、今では農林水産省のWEBサイトにも「地産地消」に関する情報ページが設けられています。(http://www.maff.go.jp/j/seisan/gizyutu/tisan_tisyo/index.html)
私は野菜については自分の畑で取れたものや、近くの生活クラブのお店で、なるべく地元産のものを買うようにしています。また、各地に出張した際にも、地元の直売所などに立ち寄り、どんなものが特産なのかとか、どんな栽培方法が多いのかなど、見て歩くのも楽しみの一つです。
少し前のデータですが、農水省の「地産地消に関する意識・意向調査」(平成18年)によれば、日常生活(食材の買い物や食事等)における地産地消に対して消費者の約4割が「とても意識している」となっています。また、消費者の利点として「新鮮な食材を買える」(78%)、「安全な食材を買える」(55%)、「おいしい食材を買える」(49%)が上位3項目として挙げられています。なるほど、地産地消の野菜や食材は、新鮮、安全、そして美味しいということですね。(※調査レポート http://www.maff.go.jp/www/chiiki_joho/cont/2007031201cyosa.pdf)
今年も各地の農山村に取材や講演ででかける機会がありましたが、最も感動したのは、兵庫県豊岡市の「コウノトリ復活」を巡る取組みでした。かつて、コウノトリは日本各地の空を舞っていましたが、巣となる松の伐採や、乱獲、そして農薬が原因で1971年に絶滅しました。最後に野性のコウノトリが生存していたのが豊岡市でした。
以来、30数年の歳月をかけ、ロシアから譲り受けたり、25年ぶりに人工授精に成功するなど、さまざまな関係者の努力が実を結び、2005年に自然放鳥が実現したのです。今では37羽のコウノトリが豊岡の空を舞っています。ところで、コウノトリが一日に食べる魚や生きものは500グラムにもなります。野生で暮らすためには、農薬の使用を極力減らし、ドジョウやカエルなど生きものがたくさんいる田んぼを取り戻さなければなりませんでした。
そこで、6年間かけて「コウノトリ育む農法」が確立されました。農法の確立にあたって、特に尽力されたのは、西村いつきさんという兵庫県の職員で、女性の農業普及指導員の方でした。今ではコウノトリ育む農法で栽培されたお米は魚沼産コシヒカリと同等の値段で販売されるほどの人気になりました。農薬や化学肥料を使わない手間のかかる栽培方法ですが、農家にとっても再生産可能な価格で買い上げてもらえるということもあって、栽培面積は年々広がっています。
また、このお米を原料にした日本酒や大豆を原料としたお豆腐など、魅力的な商品が続々開発・販売されています。地元の小学生達もお米を育てたり、市長と直談判して学校給食にそのお米を導入してもらうなど、コウノトリや育む農法のファンの輪はどんどん広がっています。地域の農業者と地元食品企業や小売業、学校等との連携が生まれるなど、地域全体の活性化につながっている好事例です。
皆さんは、地産地消していますか? そして、どんなお店でどんなものを地産地消していますか? ぜひお聞かせくださいね。
※地元を食べよう(Eat Local) http://www.jimototaberu.net/index.html
※コウノトリ復活物語についてのレポート http://soratsuchi.com/owada/2009/08/post-6.html
羽を広げると2mにもなるコウノトリ
ドジョウヤカエルなど生きものがたくさんいる田んぼ
(写真提供:兵庫県豊岡市)
大和田順子 LBA(ロハスビジネスアライアンス)共同代表 |
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