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わたしは結婚してないし子どももいないので、自由にあっちこっちへ行けます。今までにガラパゴス、南極、アフリカ、ロンドンと、いろんな所を旅したり、暮らしたりもしました。
かつて『マザーネイチャーズ』という新潮社のネイチャーマガジンの仕事で、ガラパゴス、南極、アフリカを取材し、そこに棲む動物たちの話を書いていたことがあります。90年から5年間は、ハイエナとライオンを観察するためにタンザニアと日本を往復していました。
みなさんは、ハイエナをどう猛な腐肉あさりの動物だと思っていません? それは誤解なんです。彼らは非常に優秀なハンターで、自分たちで狩りをします。時速60キロぐらいで3キロも4キロも走り続けて獲物を倒す。そんなに走れないライオンにとっては、ハイエナの倒した獲物に依存しなければ生きていけない場合もあるんです。ハイエナが倒した獲物をライオンが横取りする確率は、大体50%ぐらい。意外でしょ? ライオンは百獣の王ではないし、ハイエナは腐肉あさりではないんです。
野生動物の観察って、本当に根気のいる仕事です。朝、夜明け前にロッジを出て、戻って来るのは日没後。食べ物は残ってないし、お風呂のお湯は水になってるし。アフリカは陽が落ちるとすごく寒いんですよね。でも、「うわーっ」とか気合いを入れながら冷たい水を浴びてました。顔を洗う水が臭くてぬるぬるの泥水だったこともあって。最初は「嫌だなあ」と思ったけど、ぬるぬるが日焼けに効くんです。アフリカにいたらアフリカの水、自然の中にいたら自分も野生になるのがいい。だからでしょうか、自然の中にいるときは音楽のことは全然考えません。
ハイエナは、鳴き声の種類もたくさんあるし、知れば知るほど魅力ある動物。それで食べていけるんだったら、野生動物の研究者になりたいくらいです(笑)。
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ハーモニーインタビュー:大貫妙子
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