ホーム > クルマ@ > 活躍する女性たち> 星野朝子氏


一般的な傾向としてリサーチというのは、悪い結果が出ている場合にその原因が、商品の質なのか、価格なのか、コマーシャルなのか、全体としてどこにどのような問題があるのかといったことが明確に出ます。どこの企業でもそうなんですが、それぞれの責任部門がリサーチ部隊を持っていると、リサーチの目的自体が非常に狭い範囲に限定され、全体像が把握できなかったり、良い結果だけが上に報告され、悪い結果は報告されなかったりとなりがちなんです。会社にとって無駄なリサーチが多くなり、かつ誰もが信じられるリサーチがなくなってしまうんです。
だからこそ、リサーチの信頼性を高めるためには、いろんなところに分散しているリサーチ部門を統合する必要があるんです。
現在の主な仕事の一つに、マイルストーン・リサーチというのがあります。クルマは開発期間が長く3、4年前にはコンセプトが決まります。そこにデザイナーやエンジニアが参加して段々形になり、デザインはこれで決定という「デザインフリーズ」の段階がある。すると今度はマーケティングの人たちが、どう魅力的にコミュニケーションしようか、価格をどうしようかと決める。出来上がった新車がようやくローンチして、半年ぐらいたつと次はマイナーチェンジ計画。
そういう開発のサイクルがあって、その中で肝になるマイルストーン、意思決定のポイントがいくつかあるんですね。そのディシジョンをサポートするのがマイルストーン・リサーチで、これは市場情報室が調査設計から、分析、提案、経営陣への報告までの責任を持ってやっています。日本国内だけでも商用車を含めて40車種ぐらい、海外もありますし、年間行うマイルストーンのためのリサーチはかなりの数に及びます。
マイルストーン・リサーチだけでなくブランド関連の調査など、時系列的にデータを取っていて、どこかのディビジョンが報告すると偏って聞こえる可能性があるようなものは、われわれが全部報告までに責任を持って行っています。
|
 |
市場情報室長(VP)星野朝子氏
活躍する女性たち へ
 |