95年に取材をした時、アメリカでは8割以上の人が、実は、チャイルドシートが安全に装着されていないことがわかりました。せっかく買って子どもを座らせているのに、事故の時に、チャイルドシートごと動いてしまって子どもを守れないのでは意味がありません。
日本の場合、2002年のJAFの調査によると、7割以上の幼児用シートに緩みやぐらつきがあり、きちんと装着されていませんでした。
正しく装着していなければ何にもならないと、アメリカではボランティア団体が、無料で、毎月のように、チャイルドシートの付け方チェックをしていました。クルマの販売店などが会場です。市民は、子連れでドライブスルーのようにその場所に入ってくると、それぞれのチャイルドシートの装着具合を専門ボランティアが点検し、正しい情報を教えてくれ、付け直してくれるのです。
- 乳児用のシートで、寝かせて乗せるタイプは赤ちゃんの頭がクルマの内側に向くように。
座るタイプは、座席に向かって後ろ向きに、45度の角度で。
どちらも、頭が揺れないように、シートの内側に、パッドをいれる。
- 幼児用の2種類のタイプは、シートについてくる特性のロッキングクリップ(金具)でシートベルトにしっかりとめる。
どのシートも、装着場所は、後部座席。手で揺らしたときに、揺れるようでは安全ではない、ということになります。
アメリカでは現在、警察署、消防署、車のディーラーなど、運輸省道路交通安全局の認定を受けた技術員によってチャイルドシートが安全に装着されているかどうかをチェックする場所があるそうです。たとえば、バージニア州では31カ所設けられており、いつでもチェックすることが可能です。
しかし、残念ながら日本ではチャイルドシートの付け方をチェックしてくれる場所はまだ存在していないようです。そのため、自分でチャイルドシートが安全に装着されているかどうか、チェックをする必要があります。チェック方法及び正しい装着の仕方を日本語で掲載しているサイトは、Childseat safety.comがあります。
・Childseat safety.com
チャイルドシートの正しい装着方法をアメリカ全州共通のカリキュラムにのっとってトレーニング、指導している機関で、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)公認の機関。
実際にトレーニングを受けて、テクニシャン認定を出せるインストラクターの立場から、正しい装着に関するトレーニングを日本にも紹介し、早い時期に正しい装着方法を普及させたいという趣旨で、米国生まれの弁護士によって設立された。
米国の方法に基づいたトレーニングプログラムを日本で実施。