リサイクルお宝クイズ 2
平均的な大きさの洗濯機から、弁当箱何個分のプラスチックが回収できるでしょうか?
答え:58個分 10.8キロ
洗濯機のライン |
2つめの見学ラインは、「洗濯機」です。最大の課題は、重量の約4割を占めるプラスチックを、高純度で回収すること。洗濯機には数種類のプラスチックが使われていますが、全部混ざった状態では再利用できないのです。「混ぜればごみ、分ければ資源」。
洗濯機素材の重量費
鉄 |
53% |
プラスチック |
36% |
アルミ・銅・その他 |
11% |
洗濯機は、手作業が最も少ないラインです。電気コードを切断した後、プレス機で洗濯機から塩水を抜きます(全自動洗濯機の洗濯層上部にある「バランサー」という輪の形の部品には、バランスを取るために、水より比重の重い塩水が入っています)。
その後は、丸ごと破砕機にかけます。
破砕と選別の末、ピュアな素材に生まれ変わる!
破砕機にかけられた洗濯機は、瞬時に金属とプラスチックの破片になります。
ここから先、何段階も繰り返される選別が、洗濯機リサイクルの目玉です。
- 磁力による選別: 鉄は磁石によって選別され、原料として売られます。
- 風力による選別: 選別機の中を吹いている人工的な「風」によって、軽いものが除去され、プラスチック類等が選別されます。
- 水に入れて選別: さらに細かく砕いたプラスチック類等を水槽に入れ、浮くものと沈むものに分別。水に沈むものから、「ミックスメタル」を選別しています。
- 遠心力で選別: 浮いたものを「うず潮水流選別機」(松下電器の特許)にかけ、最終的な選別をし、「ポリプロピレン」というプラスチックの種類を回収しています。
「ポリプロピレン」の第二の人生
回収された高純度の「ポリプロピレン」は、樹脂成型メーカーに送られ、再び洗濯機の台枠などに生まれ変わります。純度は高いものの、リサイクル素材にはいろいろな色が混ざるので、再利用の際は濃い色にしています。
松下電器では、当初、台枠を黒くすることに懸念を持っていましたが、取り越し苦労だったそうです。ewoman特派員のさくら姫さんが最近買い換えた洗濯機の台枠も黒いそうですが、まったく抵抗はないと話しています(しかも松下電器製品なので、台座の素材はまさにメテックで回収されたもの!)。「濃い色の洗濯機も、なかなかモダンでよいのでは?」という声も特派員の中から挙がっていました。
※この記事は2003年掲載時の内容です