
新大阪から車で約1時間半。豊かな農地が広がる兵庫県社町(やしろちょう)にあるメテックに到着しました。リサイクル工場と聞くと、灰色のイメージがありますが、メテックは開放感のある施設でした。
開放的なのは外見だけではありません。2001年の操業開始以来、工場見学コースを設けており、すでに2万人以上の人々が訪れています。小中学生や地元の方はもちろん、海外の人や競合メーカーの人も受け入れるというオープンさ。

堀之内 裕さん
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今回、わたしたちを案内してくださったのは、取締役の堀之内 裕(ゆたか)さん。
工場を見学する前に、メテックと家電リサイクル法について、全体的な説明をして下さいました。
メテックの目標は「商品から商品へ」の実現。古いテレビの本体から取り出した素材は、再び新しいテレビに使うということです。従来の、
つくる→使う→捨てる
という一方通行の社会から
つくる→使う→戻す→生かす
という「循環型社会」への移行を目指しています。
現在、家電メーカーは大きく2つのグループに分かれ、全国約40工場で法律に基づいたリサイクルを行っています。メテックでは、近畿2府4県から排出された、Aグループ家電(松下電器、東芝、日本ビクター、ダイキンなど18社)のリサイクルを行っています。
メテックでは、4品目合わせて、年間100万台の処理が可能です。実績は2001年度56万台、2002年度64万台、そして2003年度も、60万台以上の処理を予測しています。
この工場の最大の特徴は、品目別に4つのリサイクルラインを設けていることです。品目ごとに最適な処理をすることで、より高度なリサイクルを目指しています。
各ラインは、テレビ=ピンク、洗濯機=ブルー、エアコン=オレンジ、冷蔵庫=グリーンとそれぞれ色分けされています。作業の効率化、事故防止、見学者への配慮のほかに、働く人の気持ちを明るくする効果も期待されています。
※この記事は2003年掲載時の内容です