ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第97回 伊藤元重さん

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伊藤元重さん
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ジャズ喫茶で、経済の本を読みました
- 佐々木
授業に出ないで、きちんと勉強していた。
- 伊藤
きちんと勉強していたっていうのは言い過ぎで、当時、オーケストラに入っていましたから、東大のね。そうすると、1日4時間ぐらいはラッパを吹いていたんですよ。
大学ではオーケストラをやっていたんですけど、僕は当時ジャズがすごく好きだった。たまたま高校の1年先輩で慶応に行った人の下宿によく遊びに行って。彼の所に本格的なジャズのレコードがいっぱいあったんですね。
ですから、当時の生活は、昼間はオーケストラの練習部屋でトロンボーンを吹いて、夕方から、図書館とか自分のアパートで勉強。夜の9時過ぎから、神保町辺りのジャズ喫茶へ行って、夜の1〜2時までジャズ喫茶で経済学の本を読んでいるという生活でした。夜型ですね。
- 佐々木
夜、ジャズ喫茶で、経済の本を。
- 伊藤
読んでいる本は、今からみると、すごく背伸びしていて。さっきのケインズとか、実は当時、ドン・パティンキンっていう、今はもうあまり知らないかもしれないですけど、ある意味では最先端の、貨幣論のこんな分厚い600ページの英語の本があるんですけど、そんな本を読んでいて。たぶん今考えてみると、分かっていなかったんですよね。だけど、背伸びしてやっていたのかな、と。
- 佐々木
英語は、どこで勉強されたんですか?
- 伊藤
だから、英語はひどかったですよ。
- 佐々木
いや、600ページはなかなか。
- 伊藤
読む力は、僕、何か、あったみたいなんです。
- 佐々木
「何か、あったみたいです」って。先ほどから、そんなお返事ばかりで(笑)。
- 伊藤
いや、TOEFLで、読解力だけはすごく点数がいいんですよ。ところが、あとが全然ダメでね。
- 佐々木
でも、それは静岡の時からですか?
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