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金平 敬之助さん
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学校の外は知りませんよ
- 佐々木
面白い。私は、日本の先生はすごくお忙しいわけですけど、行事を減らすというより、それを担任がやらなきゃいけないというところに問題が一番あるのではないかと。
発表会や音楽会や遠足は、それはまた学びの場ですから、意味が大きいと思うんです。でもそれをなくすというより、部活動を初め、何もかも全部、先生がアレンジしなきゃならないっていうところに問題があるのではないでしょうか。
アメリカがいいとは必ずしも言えませんけれど、アメリカの場合だったら、例えば、問題があった家庭や子どもたちのために心理学の先生が別にいたり、ちょっと学習が遅れている人たちを専門に教えてくれる特別の先生が校内にいらして、30人の授業のときに2人だけ違うクラスに行って、その子は違う先生が、同じ時間に、算数を教えてくれる。
賛否両論があるとは思うんですけれども、手分けされていて、日本の先生のように全部担任がやらなきゃならないということはない。
- 金平
不登校の生徒の家に行っていなかったら、何かがあったときに「学校はどうしていたんですか?」って言われるでしょう。だから、日本の先生は不登校の生徒の家にも行かなくていけない。
スペインでは完全に、学校の中は学校の先生の責任だけれど、外は知りませんよ、という姿勢を貫いていますね。その代わり、スペインは親が大変です。学校の送り迎えは原則として親がしなくてはならない。それに、スペインは昼休みが長いからお昼は家に帰って食事をする。そしてまた午後の学校に行く。
- 佐々木
そうか。子どもが家で食事をする。
- 金平
食事を、家でするでしょ? このときも送り迎えをしますから1日に2回往復しなければいけないそうです。これはスペインで子どもを育てている、親しいガイドさんから聞いた話です。
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