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Clay Chandlerさん
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「じゃあ早速、きょうの午後、植えよう」
- チャンドラー
だから、その問題が2つあっただけでも大変な経済の判断になるにも関わらず、もう全部、同時に一番ひどい。だから、先進国の政策者にとって、これから日本がとっても面白いケース・スタディーになると思うんですが。こういった問題をどういう風に解決すればいいのか。他の国にとって、すごく勉強になるような実例が出てくると思うのですけれど。僕、心配しているのは、かなり、ひどい教訓に(笑)。
- 佐々木
になってしまう。最悪のケース。
- チャンドラー
そうね。だからそう、「こんなことを、あなたはするべきではない。これはどうして問題を無視してはいけないか、っていう教訓なんです」って事例になってしまいそうでね。
今の日本の政治討論を聞くと、もう、その方向に行っちゃっているように聞こえます。ただできないっていうだけのこと。これからずっとこの問題を無視していけば、それとも、ずっと何にも解決されずに話し合いばっかり続けば、どうなるんでしょうか?
- 佐々木
このままアジアの中で、消えていってしまうっていうことでしょう。
- チャンドラー
でもやっぱり、出生率を上げるのは不可能ではないと思うんです。でも難しいし、時間がかかるんですよ。ケネディ大統領がよく言ってました。彼がとても尊敬してたフランス軍の司令官、マーシャル・ペタンっていう人がいて。ケネディが、いつもマーシャル・ペタンの言葉を使っていたんです。
マーシャル・ペタンが広大な領土を持っていて、ある日、庭師にね、「私はここに樫の木を植えたい。この場所に……」と。そうしたら庭師が、「でも、先生、木を今植えても、それが立派な成長した木になるまでには、50年くらいかかるんですよ。先生も、当然、亡くなっていらっしゃるでしょうし。50年ですよ?」と。そうしたら、「じゃあ早速、きょうの午後、植えよう」って言った、というんですよね。
日本がそういう精神をもうちょっと持てば、助かると思うんですね。だから、「待ってみよう」とか、「先を見る」とか、「今は、まあまあ、大丈夫じゃないですか?」っていうことじゃなくて、木と同じように、子どもを育てるのに20年間かかるんですよ。労働者としてできあがるまでにね。そうしてできあがるまでは、木よりも難しいのだし、だから、種はもう午後にでも蒔かないと困るんですよね。……という風に僕は感じているんです。
僕がそういう質問をする度に、「いやいや、みんな話題にしてますよ。話し合いは進んでいますよ」って言われるですが、危機感っていうんですか、緊急性を感じないんですね。
- 佐々木
政界だけでなく経済界も無視している。「分かっているけれど、今日は稼げているから、あんまり関係ない。自分たちには。自分の会社には」と。
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