ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第8回 杉田敏さん

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株式会社プラップジャパン 取締役副社長 普楽普公共関係顧問有限公司 CEO
杉田敏さん
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効率的に学ぶことが大切
- 佐々木
杉田さんは、英語を大人に教える、という仕事も長年やっていらっしゃいますが、英語を学ぶ大人は、どういう手順で、何をやればいいでしょうか? 上達の秘訣はありますか?
- 杉田
うーん。わたしの場合はいつも学び続けていますね。電子辞書を使っています。NHKラジオの番組の収録中にも、ネイティブのアシスタントの女性も、発音や意味が不確かなことというのは必ずあるんです。収録をしながら、必ず、疑問は出てきます。
だから、スタジオに電子辞書を持って入って、引くんですね。それで放送の中で「スタジオに持って入ったわたしの電子辞書には、この単語は載っていませんが」とか「こう定義は出ていますが、現代ではもうちょっと違う意味で使うことが多いですね」とか。メルマガのメンバーになっていて、熱心に聴いている人たちの間で、「杉田さんはどの会社の電子辞書を使っているんだろう」と盛り上がったこともあります。
- 佐々木
やっぱり、先生の使っている辞書は知りたいですよねえ。
- 杉田
どこかで講演をしたときに、「わたしはこのメーカーの電子辞書がいいと思っています」という話をしたら、一人の英語の先生が手を挙げて、「電子辞書を使ってはいけないと主張する教育者がいますが、どう思われますか?」と質問したんです。「辞書というのは、苦労して引かなきゃ英語は身につかない」を理由に禁止しているというので驚きでした。
どこで講演会をやっても、いつも聞かれるのが「一番いい英語勉強法は?」なんです。以前、NHKで英語番組を担当されていた大杉正明先生たちと講演に行って、どうせこの質問が出るだろうから、その時は「辞書を食べるのが一番です」と言おうと決めたんです(笑)。「“J”のセクションがおいしいですよ」とか「あんまり食べると英語はできても便秘になる」とか、それぞれ自分が編さんに携わった辞書の名前を冗談で言ったことがあります(笑)。
昔は辞書を1ページずつ覚えて、それで覚えたら食べる、という学習法をやった人もいたようですが、現代では、もうそんなことをする人はいないでしょ。辞書をいちいち、ちゃんと引かなきゃ駄目とかいうことよりも、いかに楽して短い時間で目的を果たせるか、ということを考える時だと思います。
今では、PDAを使った教材もある。CDをプレーヤーで聴いて、パソコンにセットして、画面をクリックして覚えたいフレーズを繰り返し学習するというふうに両方できるものもある。DVDでビデオムービーが入ってるものもある。とにかく新しい技術を取り入れたものがたくさん開発されています。もう辞書を食べる必要はない(笑)。
もちろんお金はかかりますよ。だけど、なんとかアルバイトしてお金を作ってでも、テクノロジーをうまく利用しなければいけないと思います。
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