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日本国際ボランティアセンター(JVC)南アフリカ現地代表
津山 直子さん
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子どもたちが立ち上がった「ソウェト蜂起」
- 津山
1976年に、「ソウェト蜂起」という、子どもたちのデモがありました。差別的な教育に反対して子どもたちが立ち上がった。そこに白人警察が発砲して、たくさんの子どもが亡くなったんですね。
それから今年でちょうど30年を迎えるんですけども、ちょうどあの頃から、スティーヴ・ビコの黒人意識運動なども広がり、若者たちがどんどん「国を変えよう」って立ち上がったんですね。
「ソウェト蜂起」から10年経って、1986年、87年になると、世界的にも国際連帯の活動が、より広がっていったっていう、いろんな要素があって変わっていったと思います。
- 佐々木
学校教育、とくに小学校の教育は変化しましたか? なにか特徴的なことは? 歴史とかはどんなふうに教えられているのでしょう。
- 津山
歴史は、昔はアパルトヘイト……白人が入植した1652年から歴史が始まっていたんですけれども、それ以前の歴史から教えるようになってます。また、アパルトヘイトがなんだったかっていうことも教えるようになったり、あと、アパルトヘイト後に「アウトカム・ベースド・エジュケーション(Outcome-based Education)」といって、子供たちが一方的に聞くだけではなくて、参加型の教育も入ってきました。カナダとかオーストラリアの教育体制から学んだようなものなんですけど。
- 佐々木
アウトカム・ベースド・エジュケーション? 「結果から学ぶ教育」?
- 津山
そうですね。教師が一方的に教えるんではなくて、子供たち自身が学びあうような環境。だから、この間も、小学5年生の娘は、1つの教科で……日本の総合学習なんかもそうなのかもしれないんですけれども、たとえばビスケットを作って、それを売りましょうっていうと、ビスケットを作るためにどういう材料が必要かって、それが何グラムずついるかって、どういう作り方をするかっていうことを調べたあとに、実際に作り、また一方でそれを学校内で販売するのに広告を作ったり、あと、売った後に、いくら材料費がかかって、いくら収益があったかっていう計算をしましょうとか、子供たちが1ヶ月ぐらいかけてそういうことをいろんな科目をあわせてやったりしています。
- 佐々木
何人ぐらいですか、小学校は?
- 津山
1クラス25人ぐらいです。でも、今でも、農村とか学校の少ない地域では50人とか、もっと多いクラスもあります。
- 佐々木
日本は40人ですからね(笑)。そうか。ずいぶん教育が開かれてきているんですね。
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