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日本国際ボランティアセンター(JVC)南アフリカ現地代表
津山 直子さん
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公用語は、なんと11言語!
- 津山
ビクターはソウェトで生まれ育っているので、全部の公用語、11の公用語が話せるんです。
- 佐々木
ええっ? 11も公用語があるんでしたっけ?
- 津山
ええ。アパルトヘイト時代には、英語と、オランダ語に近いアフリカーンス語の2つが公用語で。民主化されたあと、やはり、多様な言語とか多様な文化を尊重していこうっていうことで、公用語も、9つの民族語を含めて11になったんですね。
- 佐々木
ああ、でもそれ、政治的には難しいですね。じゃあ、公用語が11あるってことは、なにかのアナウンスをするために11の言語をしなきゃいけないんだ。
- 津山
たとえば、私たちが活動しているリンポポ州は、主にシャンガーンとベンダとソト語の人がいるので、公的なものも、それらの言葉と英語とアフリカーンスを含めて、5つの言葉が使われています。東ケープ州のほうは、主にコサ語を話す人たちなので、コサ語と英語が使われています。
- 佐々木
それらの言語、全然違いますでしょ? だって、87年の、制限下で、白人の金鉱山の地下2キロメートルの現場を取材しましたが、黒人たちが金を苛酷な環境下で掘らされていましたが、全員無言。聞くと、互いの言語が違って話せないとか。
私たちのような海外ジャーナリストを入れた金鉱山ですから、たぶん、見せるための最高の状況だったと思いますが、それでも黒人同士は会話はできなかった。名前も、お互いになにもしゃべれないで無言で、ですよ。
- 津山
鉱山では、「ファナガロ」っていう、いろんな言葉を混ぜた言葉が使われています。
- 佐々木
エスペラント語みたいな(笑)?
- 津山
そう。それこそ、鉱山には南アだけではなくて、モザンビーク、レソト、いろんな国から働きに来ているんだけれども、「ファナガロ」っていう言葉が共通語になっている。また、互いの言葉を覚えて、今でもモザンビークでは、鉱山で働いていた人はズールー語が話せるとか。
- 佐々木
話せたりするんだ。
- 津山
でも、ソウェトはいろんな民族が住んでいるので、小さいときからいろんな言葉を学んで、特にビクターは貧しかったので、いろんな親戚の家をおばあちゃんと一緒に移動せざるを得なくて、その中で、ソウェトの中でもいろんな地域に住んで、いろんな人たちと生活をしたなかで……。
- 佐々木
で、11の言語がしゃべれる、と。
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