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服部 幸應さん
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5種類の「こ食」:孤食、個食、固食、小食、粉食
- 服部
そうしたら、やっぱり食べさせ方で、バラバラ食があるんですよね。5種類。
- 佐々木
同じ屋根の下で、親子がバラバラ食べる、孤独の「孤食」とか。
- 服部
はい。それに、団らんしていて同じ食卓で、家族それぞれで自分の好きなものを食べる「個食」、自分の好きな決まったものしか食べない「固食」、いつも食欲がなく、食べる量が少ない「小(少)食」、パン中心の、粉を使った主食を好んで食べる「粉食」。
- 佐々木
粉、ですか。
- 服部
まあ全部言う必要はないでしょうけれど、孤独の孤というのは、お分かりのように、同じ屋根の下なんだけれど、親と子供が食べる時間が違って、食べるものがバラバラなことです。これは2〜30年言われてきたんですよ。
- 佐々木
一人ぼっちで、テーブルに座って、黙って食べる、ということですね。
- 服部
それと、学校がゆとりある教育、ってあったでしょ。あれで前より親子で団欒の頻度は高くなっているんですよ、今。ところがね、食べているものが、お父さんがカレーライスでお母さんがスパゲティーで、子どもがピザを食べている。
好き勝手なものをバラバラ食べさせるとどういうことになるか。すると、好き嫌いを助長、増長させ、わがままにするんです。協調性のない子にしていく。自分勝手な子にしちゃうということが分かってきた。
- 佐々木
それに、子供が、食のバランス関係なく、食べたいモノだけを選ぶようなことになってしまいますしね。
- 服部
今、なぜこんなにおかしな子供たちが増えてきたかというと、まず親御さんが、子供にいいモデルを見せてないんですよね。子供たちをしつけなきゃいけない時期に親がしていない。
ぼくはね、今、家庭教育と学校教育と、地域社会教育、それと親御さんのための教育、特に。それともう別の角度から行くと、生産者と消費者のため、お互いのために食育。ですからこれを、縦断的に横断的に、全部進めていかなくちゃいけないと思ってる。
- 佐々木
お忙しくて仕方がないですよね。キリがないくらい。
- 服部
ぼく個人でやることも、やっているんですけれども、内閣府の食育推進会議や、毎月やっている食育推進基本計画検討会。2006年3月までに方向性を出すんです。内閣府のなかで厚生労働省、文部科学省、農林水産省と連絡を取り合って、国民運動として広めるために協議しているのです。
- 佐々木
最近は情報量も多いですし、8歳でも遅すぎるような。
- 服部
ですから本当は、離乳食に切り替えるとき、もっと言えば、本当にもう、出産した後からもう始まっているんです。それで、8歳までは、きちんと面倒を見てほしいのがひとつ。精神的なものと、人格的なものをね。人間の性格まで変えてしまう大きな要素があるんで、そこまではまずきちっと。
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