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池上 彰さん
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NHKを辞めた理由 その3
- 池上
それと、もう1つ、ふと考えてみると、記者として仕事をしてきたのが16年なんですね。それから首都圏のキャスターと「週刊こどもニュース」をやってふと気づいたら、これも16年ですね。ちょうど16年、16年なんですね。
最近はNHKに入ってきた若い地方の記者が、池上はアナウンサーって言ってる、って。私の知り合いだったり、私の部下だったりした地方のニュースデスクの連中から聞くとショックなんですね。
町を歩いていても、「アナウンサーですよね」って言われると最初の頃は、「いえ、僕アナウンサーではありません」って言ってたんですが、「だってテレビに出てるじゃないですか」って言われると、あ、そうか、記者だ、アナウンサーだって、こりゃ内部の話であって、テレビに出てる人はアナウンサーだって思われるよね。で、やっぱり、自分は違うって思うようになるわけです。
- 佐々木
取材をしたりしている記者だっていうプライドというか……。
- 池上
みたいなものがあるわけですね。だから、今、キャスターみたいなことをやっていたけど、人からアナウンサーと思われるような仕事がもう記者でやっていたときより長くなっちゃう、あぁ、もう潮時だろうっていう思いもありましたね。
私はNHKで記者をやっていましたって言えなくなっちゃうっていう思いがやっぱりあるんですよ。
- 佐々木
説明能力という点では、書いてもしゃべっても、池上さんの良さが表現できると思うんですけど、当然ながら、話す人の声とか話すリズムとか、声の強さとか、外見とか、すべてをひっくるめて、ビジュアルに説明する能力が池上さんは非常に高くていらっしゃるわけで、だからこそ人気も出たわけです。
「とくダネ!」のコメンテータになられたので、「とくダネ!」は得をしたと思いますけれども(笑)、なんか、他は執筆業だけ、というのではとんでもなくもったいないですよね。
- 池上
ありがとうございます。レギュラーはみんなお断りしているんですが、「世界一受けたい授業」などは、テレビでニュースを解説するっていうやり方なので、たまにはいいでしょう、と。
20/29
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