ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第53回 細川佳代子さん

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特定非営利活動法人スペシャルオリンピックス日本 理事長
細川佳代子さん
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まずは土曜日に学校で一緒にスポーツをして
- 細川
実際に今、だいぶ変わってきていているのよ。特別支援学級って言って、いろいろな学習障害の子がすごく増えてきたから、特殊学校や養護学校に入れればいいというのではなくて、もうちょっと支援を細かくしなくちゃいけないということに。
- 佐々木
一つの学校の中で一緒に、というケースが増えているようですね。
- 細川
いろいろな障害のある子たちも普通の学校の中で支援制度を利用しながら、みんなの中で勉強し、一緒に遊んで育っていくようにって。
教育委員会も、「ああ、お宅はもう普通学級無理です、養護学校行きなさい、特殊学級です」って決め付けるんじゃなく、親と子供が希望するなら、できるだけその希望に沿えるようにするという学校が、どんどん増えています。だいぶ変わってきたでしょう?
- 佐々木
本当ですね。それが自然なことで、互いの学びになる。
- 細川
それを、私たちのスペシャルオリンピックス運動が、もっと草の根で支えたいと思っているんです。民間からそういう声を上げていくためには、どうしたらいいかっていうと、小学校、中学校、高校で、最初のスタートは、授業の時間を取るんじゃなく、土曜日などの休みの日の午前中、グラウンドまたは体育館で、スポーツをやろうとしているの。
たとえばフロアホッケー。スペシャルオリンピックスにしかない競技種目ですが誰でも楽しめる競技です。
「土曜日の午前中にやってもいいよ」っていう学校に呼びかけて、そこにみんなでスペシャルオリンピックスの話をしにいって、知的障害の人たちを紹介し、この子たちと地域に住む同じ年代の子と、一緒に、チーム作って、練習始める。手を挙げた子だけでいいのよ。
- 佐々木
いいですね。スペシャルオリンピックスは参加することでの学びが何より多いと思いますので、まずは、そのスポーツを一緒に。それも最初は有志から土曜日に。
- 細川
授業時間だと親も反対するの。うちの子供の学校の授業が遅れるとかね、いろいろ反対されるわけでしょ。でもスポーツなら、教育ママもそんなに騒がない。むしろやさしさとか思いやり、そしていろんな子がいるんだっていうことを認めるいい人間教育になるし……。
- 佐々木
そうですね。娘が通っていた公立保育園は、訪問したり、一部ですが、一緒に運動会をしていましたね。
- 細川
スポーツなら、反対も少ないと思うの。そして実際にやると、本当に子供たちが素直に、ものすごく素敵な感想を寄せてくれる。もう大人よりか、よっぽど早く、ぱっと心の入れ替えをして。
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