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特定非営利活動法人スペシャルオリンピックス日本 理事長
細川佳代子さん
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余計な情報が入ってくる「今」の子育て
- 佐々木
そういった善意だけの世界、嫌な情報も入ってこなくて、いい環境で育てるというのは、本当に理想だと、頭で分かっているけれど、なかなか家庭の中で実現できていない。と同時に、今、時代が変わってしまい、ニュース番組では毎日のように子供が殴られました、殺されましたって言っています。我が家でも保育園の小さな子供がニュースを見て、「今日4歳の子が殺されたんだよね」という。聞こえてしまっている。その今の家庭環境で育っている子供たちに、細川さんが送りたいメッセージありますか。どうしていいか私も困っているのです。
- 細川
本当に今のお母さまたちの子育ては大変だと思う。昔のほうがずっとよかった。余計な情報は入らない。感動的な情報しか伝わらない。そして本当に、分け合う、分かち合うということを、みんな家族がして育った。
もう全部自分1人、なんでも自分のことだけ考えていればいいという子供に育っていたら、人のことを考えるなんていう心は、ずっと持ち合わせないまま大きくなってしまう。
いわゆる公共心とか、そういうものが残念ながらまったく育まれないような環境に、今はみんな押し込まれているから、本当に現代社会で子育てをするのは難しい。
そうなると、そういう中でもいい子育てをするためにどうしたらいいかという、母親の心得みたいなのを、やっぱり経験者なり体験者なりが、こうするといい、ああするといいっていうことを、もっともっと発信した方がいい。
マスメディアも、くだらない情報を発信するんじゃなくって、もっともっとみなさんにそういう大事な情報を、一番大事な情報をもっともっと発信していかなくちゃいけない。でないと知らないうちに思いとは全然違う方向に人生の道ができていってしまう。気がついたらもう手遅れだ、と。
- 佐々木
そうですよね。だからスペシャルオリンピックスとの関わりなどを、たとえば小学校、もしかすると保育園、幼稚園から、持つようにする。どんどん、みんながかかわる体験をするために、現場に行ったりするなんてことを、学習プログラムに入れていくぐらいのことをしていく必要があるんでしょうね。昔、自然にあった環境は取り戻せない。
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