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写真家・ジャーナリスト(医学ジャーナリスト協会会員)
伊藤 隼也さん
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いい病院を見分ける視点
- 佐々木
いろいろ伺ってきたのですが、伊藤さんご自身がたくさんの病院を訪問され、取材される中で、いい病院を見分ける一定の視点みたいなものはどんな点ですか。
- 伊藤
いろいろあるけど、「隠れたものを知る」っていうのは、まさに直感なんです。論理ではなかなか出てこないんです。
- 佐々木
提供されたデータなどではわからないこと。たとえばそれはなんかこう、病院に入ったときの空気、雰囲気、というようなものですか。
- 伊藤
そう。周りの雰囲気だとか、患者さんの顔つきや空気や、職員の人の働いている、同じ手術室でもひとつの空気があるんです。
- 佐々木
動きや表情、例えば物の置き方でもわかる。
- 伊藤
色だとか、照明だとか。それが直感として、まず入ってくるんです。で、次にそのどうしても居心地の悪い直感を埋めるべく、今度は現場の情報を整理して、論理を組み立てる。そうすると、あ、ここが違ってる、とわかる。
- 佐々木
つまり、その病院のシステムや制度はきちんとしていて立派で。わざわざ伊藤さんを呼ぶくらいだから、本当はそこだけ見てくれれば、「いいですね」って褒めてほしいんだけども、「僕はもうちゃんと見抜いてしまって、そうはいかないよ」っていうケースがやっぱりある。
- 伊藤
表向きに立派なとこはたくさんあります。でも優れた病院は、僕が気づいたことを指摘してほしいと思っている。人のすることに100%なんてあり得ないから、自分たちが準備したものの足りない部分を、外から見抜いてくれる人という意味では、僕の役割は非常に大切だなと最近、思いましたね。
- 佐々木
そういうのをきっとイー・ウーマンのリーダーたちと一緒に見たら、違う目でね。
- 伊藤
共有するとね、おもしろいですよね。僕はモノにも生命があると思ってるんです。モノが僕にリフレクションしてくれる生命力、っていうのをなんとなく感じるんです。ここの場所もそうですが。
その生命力がものすごくいいエネルギーを出しているものは、たとえ汚れていっても、とてもいい雰囲気を醸し出しているんです。10年使っていて、それなりに汚れてるけれど。ちょっと僕には論理にできないし、言葉にもできないけれども、そういうアンテナをいろんな人が持っていると、本物を見つけることができるかな、って気がします。
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