ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第42回 江端貴子さん

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江端貴子さん
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子どもたちの教育
- 江端
その意味では、私はいまだに母にとっては『落第生』なんですよ!
- 佐々木
お子さんの育て方ということでですか?
- 江端
いえ。私は失敗作なんです! 母は育て間違ったって言っていますよ。
- 佐々木
本当に? 厳しいお母上ですね! 江端さんの子育てはどうですか? 1年間専念されてみて。
- 江端
ちょっと難しいものがありますねえ。でも今となって考えると、母はあんなに私に『東大、東大、東大!』と言っていなければよかったのに!と考えることがありますよ。これだけは、自分の息子にはしたくないと思っています。
東大に進学すればどんないいことがあるかを具体的に示してくれながら母が言ってくれていたら、私ももっと母を受け入れやすかったと思いますね。そういう点で自分は気を付けようと思っています。
- 佐々木
この1年、仕事をやめて自宅で子育てなさっていて感じることはありますか?
- 江端
子育てには限りがないなあということですね。また、子供といる時間が長くなればいいというわけでもないということを感じました。最初は子供も私が家にいることを非常に喜んでくれていたのですが、だんだん自分の世界も作っていくようになるし、あまり過保護になってもいけないなあと。
でも、そばにいるといろんなことに口出ししたくなるんですよね。働いていたら、気づかずに、かえってよかったこともあるかもしれません。あとは、今年から息子は塾に行き始めたのですが、これが結構大変ですね。
学校でやっていることと、塾でやっていることがまったく違うので、かなり親がサポートしなくてはいけないんです。うちの息子は3年生まで、学童保育でのびのびと遊んでいたので、学習態度を身につけさせるだけでも大変でした。
- 佐々木
教育問題という点では、今後どのような変革があったらいいと思いますか?
- 江端
教育制度がなんだかとっても、デジタル化されてしまったような感じがするんです。1か、0か、できるか、できないか。子供たちは皆それぞれ波長が違うので、もっとアナログ的な対応が必要なんじゃないか、できる子はそこをうまく伸ばして、できない子も底上げはしてあげるとか。
でもこれをやるには、教える方が、ものすごく柔軟に対応できる方でないとできない。ですから、やはりそういった先生を育成するということが重要だし、先生という資格をもっとプロフェッショナルにして、待遇も考えるとか、国はもっとそういうところにお金をかけるべきだと思いますね。私たちの未来を作る礎になるわけですから。
- 佐々木
全く同感です。私は、今の世の中、子供たちが情報過多になっていることもあり、小学校前からの教育のありかたや、小学校教育の柔軟性や幅の広げ方に非常に関心があります。
いつか、教育提案など一緒に考えたいですね。今日は、本当にありがとうございました。素直で、自由で、チャレンジャーである江端さんが更によくわかりました。是非、今以上に日本社会を大きく引っ張ってくださる江端さんでいてくださいね。これからもイー・ウーマンをよろしくお願いします。
対談を終えて
仕事をしていると、常に客観的で安定している、心温かい人こそがプロフェッショナルであるということを実感します。それに加えて、子供を育てるなどの日常生活を送っているなどの生活者としての視点をもっていたら、理想的です。江端さんは、知的エリート女性の代表例のような方だと、いつも感じます。私から見たら、何から何まで完璧です。だから、私もいろいろ相談に乗っていただいたりして。そんな江端さんが、どんな風に育ち、どんな風に考え、これから何をしていかれるのか、いろいろと伺ってみました。注目の働く女性、です。
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