ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第41回 片平秀貴さん

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丸の内ブランドフォーラム代表・東京大学ものづくり経営研究センター特任教授
片平秀貴さん
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ブランドのこれからは商人と職人の時代
- 片平
まったく簡単な話で、たとえば缶チューハイの氷結とかエプソンカラリオME。こうやって女性が主体となって本音で開発する。その開発モデルをちょっと使うだけでグンと良くなる。
- 佐々木
全てがうまくいくかは分かりませんが、確かにありますね。10月初めにフォーチュン誌が行った「モストパワフルウィメンズサミット」っていう……
- 片平
こわいねえ。
- 佐々木
いえ、怖くないんですよ。女性経営者、女性ジャーナリスト、元大統領、元総理、元大臣などが、200〜300人集まった会議がロサンゼルスであったんです。日本からの出席者は私一人でした。別にランクインしていないですが、招かれて行ってきたのです。選ばれた1位はイーベイ・メグ・ウィットマン社長。彼らはこれからの企業や地球を動かしていくところに女性の決定権者がいっぱいいるのが重要なんだと言っていました。たしかに、さまざまなレベルで、それが言えますよね。
- 片平
そうですよ。要するに今までは、やっつけ仕事なんだもん、サラリーマンは。心こもってないでしょ。で、自分がかわいいから、上を見る、社内を見る、顧客見ていない。女性の場合は、自分が使うのにこんなの許せないとか、そんな視点で仕事している。
僕はこれから商人と職人の時代だと言ってるんだけど。その職人魂って何かというと、「尊敬されるようになったらおしまいよ」と、名声ほしくないよ、金は生きるだけあればいいよ。よいごしの金はもたねえ、とね。一番厳しいのは自分だわね。自分が許せるかどうか。
だから女性の場合もわりと本音で仕事をする方が増えてきて、わたしが欲しいかどうか。それは基本的に職人なんですよ。部長に評価されなくたっていいのよ、と。わたしの仲間が、日本中、世界中でいい商品だねって言ってくれる方がよっぽどうれしいわよと。どうせ給料なんて上がんないんだから、っていう感じね。
もう1つ商人というのはね、おもてなしの心があるんだよね。さきほど申し上げた、相手が喜んでいるのがうれしいよというメンタリティを自分がもっているのかどうか。自分に対してが一番厳しく、相手を喜ばすということに喜びを感じる、この2つが絶対必要なんだよね、ブランドは。
そのあたりは、女性って、自分勝手な人もいっぱいいるのかもしれないが、でも自分がうれしくなって仲間がうれしくなったらぜんぜんいいわよね、万歳!ってさ、そういうメンタリティってたぶんあると思う。任されると今までたまっていたものが全部出てくる。
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