ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第36回 久保京子さん

36 |
久保京子さん
|
|
|
飛び込んだモデル業、1年毎に気持ちを区切って
- 久保
そうなんです。ですから、もしかしたら世界がちょっと広がるかしら、なんて興味本位でモデルの仕事は1年間のみ、と親戚一同に約束をしました。
- 佐々木
それでCMの後、モデルのお仕事が続々と?
- 久保
それがもう、全然。オーディションに行っても受からず。で、この仕事の奥の深さというか難しさというか……。
- 佐々木
いかに自分のデビューがラッキーだったかを知った(笑)。
- 久保
そう。そこで、初めて(笑)。あらら、大変な世界なんだなあ、というのが最初の1年間で実感したこと。
だから、仕事につながっていくなんていうことはほとんどないし、あったとしても雑誌の脇のほうで大きな口あいて笑ってるとか、それもモノクロとかチラシの仕事とか。もちろん、頂ける仕事はありがたかったんですけど、思い描いていたものとは、あれ?っていうズレがあった。
10件オーディション受けて、10件落ちる。落ち込みも、かなりありましたね。だから、20件受けて1件受かったら、もう大喜びっていう感じでした。
- 佐々木
モデルのオーディションって、どうするんですか(笑)?
- 久保
今でもたぶんそうなんじゃないかな、水着を着て、ですね、パンプス履いて歩いたり、ポーズをしてくださいとか、表情をいろいろとか、踊ってくださいとか。もうほんとに恥ずかしい(笑)。
でもね、クライアントはほとんど上の空で、興味がなければ見てもくれない世界なのです。だから、部屋に入って自分の名前を言った瞬間に「あ、落ちた」っていうのは、なんとなく雰囲気でわかっちゃうんですよね。
- 佐々木
じゃ、そんな厳しい世界なのに、心の中では「これで食べていこう」っていう決心にかわっていった?
- 久保
その頃は、これで食べていこうというよりは、悔しさ倍増しちゃってたんです(笑)。
自分というものが、その世界でやっていけるのか、いけないのかが、まったくわからない。
- 佐々木
で、約束の1年があるわけですよね。19歳の終わり頃、どうしようと思った?
- 久保
もう悔しいんですよ。それで、やりたいものも増えちゃった。シャンプーで始まったから、化粧品はやりたいわ、車はやりたいわ、ファッションショーもやりたいわ、で夢ばっかり広がるんですよね。現場で、いっぱい夢があるわけじゃないですか。そこに自分が向かっていきたいっていう気持ちになってきていた。
- 佐々木
でも、自分は行っても……
- 久保
落とされる(笑)。
それで自分の中では、区切りましょう、と考えたんです。きりがないかもしれないから、1年更新でやろう。1年やってみて、どうか。また1年やってみてどうか、ということにしましょう、と決めたんです。
2/17
|
 |
|
|