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藤巻幸夫さん
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金は天下の回りもの
佐々木
そんな藤巻さんと、仕事をしたいと思う人が多いんでしょうね。
藤巻
「おもしろそうだから、あいつと何かやってみよう」っていうんだよね。あと無償の愛というのをずっとやってきたから。僕は“give and give”だと思ってるんですよ。たとえば講演で10万円もらったら、だいたい一週間くらいで人に使うんですよ。時には物を買うこともあるけど、それは服が好きだから買うのであって、服を買ったことでその製作者は喜ぶだろう、っていう考え方をするわけよ。金を使えば、誰かが潤ってまた僕に回るっていう。金は天下の回りものっていうのが。
佐々木
わたし同じことを高校のときにアルバイト先の社長に言われましたね。お金がないからバイトを始めたので、その社長はわたしのことがかわいそうだと思ってか、ごはんを食べさせてくれるわけですよね。時々レストランに連れて行ってくれてね。
そうすると、わたしが一粒残さず食べる。「おまえは連れて来る甲斐があるなあ」と。「ほかの女の子は連れて来ると半分で残すけど、かをりは全部食べるから気持ちいいなあ」って。でもごちそうしていただくのは忍びないと言うと、「いやお金というのは回り物なんだよ。こうやって使うといつか戻って来るんだよ」って言ってくださったのをよく覚えてます。
藤巻
すごいな。すごくいい話だと思う。ぼくも学生から伊勢丹に入る間、そういうきっぷのいい大人をいっぱい見ていたの。もう財布の中の20万でも50万でもバンバン使うし、「飲んでけ、食ってけ、持ってけ」みたいな。そういう使い方をする人は好きなんですよ。だから二通りいるんですよ。貯め込む人と、与える人。
佐々木
与える人がいいよね。
藤巻
いいですよ。そしたらこいつのためにまた働こうってなるし。
佐々木
わたしね。「ギブ&ギブン」(『自分が輝く7つの発想』)っていう本を書いているんですよ。
藤巻
おもしろい。それ、僕の言ってるのと同じじゃないですか?
佐々木
“give and take”は駄目だと。“give”していくと、“take”しなくても“give”される。
藤巻
“give”されるんだ! なるほど。最近、一言って言われて、“give and give”って書いた。似てますねえ!
僕は時計が趣味でね、アンティークの時計を昔買ったんですよ。ロレックス製のエクスプローラー。まだキムタクの前ですよ。36回払いで、1回 9,000円くらいで買った。それを最近、一番かわいがっていたやつ簡単にあげたもんね。「藤巻さんのその時計欲しい」と言われて「お前まだ買えないんだよな」って。僕も昔はお金がなかったから36回払いで買ったけど、今は買えるところまで来たから、「いいよ持ってけ」と。
佐々木
あげた時の気分って、いいでしょ?
藤巻
すごい気持ちいい。こいつはまた、僕と同じように誰かにあげると思うわけです。そういう仲間にごはんを食べさせてあげるとかっていいじゃないですか。
佐々木
いいよね。母もよく言うんです。人にプレゼントできるって、もらうより、ずっとうれしいって。
藤巻
僕、せこいのは絶対に嫌いなの。せこい人は嫌い。だから、人が寄ってきてくれたのかな、というのは最近感じますね。信じられないくらい仲間が増えてきて。
たとえば、佐々木さんが電話で「藤巻さん、この人紹介して」って言ったら、どんなことがあっても本気で紹介するようにしますもの。そうするとみんなびっくりして、「何でそこまでやるの?」と言うけど、必要とされたかったら、頼られるのが気持ちいいじゃないですか。
佐々木
うれしいですよね。わかる、わかる。
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