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渡辺邦昭さん
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他人と比較することほど非生産的なものはない
- 渡辺
広島でコンピュータの需要がなくて苦戦しているころ、東京で銀行などを担当している同僚は、商品が売れて華々しいわけですよね。そんな成績の良かった同期の情報が社内報で届くんです。鳥取の砂丘を見ながらそれを読んでいるうちに、「いったい俺のキャリアはどうなっちゃったの?」と悲しくなってくる。
外資系というのは競争社会なので、売れている人は非常にいい子、売れてない人は悪い子というのが明確なんです。
- 佐々木
そんなとき、「なんで値引きさせてくれないんだ」とか「僕のせいじゃない。会社のルールが悪い」などと思わなかったんですか?
- 渡辺
そういうことをみんな散々言うんですが、「IBMの決めた契約書で、IBMの決めた値段で売ってくるのが、IBMの営業なんだ」と。それができない人は辞めてくださいということでした。
- 佐々木
でも辞めようとは思わなかったんですね。
- 渡辺
ええ。悔しいじゃないですか、ほかの人ができているのに自分ができないのは。でも、よく考えればその人たちが売っているわけではなく、東京の銀行が、自行のコンピュータプランに基づいてIBMに発注を出しているだけなんです。会社側からみれば売れていることに変わりはないけれど。
- 佐々木
「買ってくれる人がいた」というのと、「売った」というのは違いますね。
- 渡辺
そういうことです。売れないから他人と比較して悩んでいたわけです。
でも、あるとき、デール・カーネギーの『道は開ける』という本に出会ったんですね。その本に、他人と比較するほど非生産的なものはない、自分の6カ月前、3カ月前に比べてどれだけ成長したかを考えなさいという文章があって、ものすごく感激したんです。
- 佐々木
道が開けた。
- 渡辺
すぐに実行とはいきませんでしたが、徐々に他人と比較するのはやめて、営業に対してとか、自分がなりたい姿に対して今は何が足りないのか、を考えられるようになった。それが6カ月前、3カ月前に比べて成長してればいいんじゃないと思うようになれたのです。
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