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志村季世恵さん
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時として夫婦間には通訳が必要
- 佐々木
家族の日々のコミュニケーションは、意図的にしなければ、欠けてしまうという家族が多いと思うんですが。
- 志村
多いと思います。本来家族は、コミュニケーションの上に成り立っているんですよね。でも、たとえば夫婦の間で、ディスカッションできるような言葉を使えるっていうことがあまりないんだと思うんです。
- 佐々木
一人の人間としてのコミュニケーション能力が足りないと。
- 志村
そう思うときもある。人として言葉をどう発するか、どう聞くか、というところですよね。個人がどう成長するか、という部分もあるかとは思うんだけど、本当は子どものうちに家庭の中で学ぶことなのに、それができていないで大人になっている。
- 佐々木
じゃあ、コミュニケーション能力がないと気付いた家族は、どういう選択をすればいいんでしょう? 志村さんはどんなふうにかかわっていらっしゃるのですか?
- 志村
わたしの場合は、通訳として登場する。間に入っていれば、なんとなくわかるじゃないですか。だんなさんはこういうことを言いたくて、こういう気持ちがあるんだ、一方奥さんのほうはこうなんだ、って。
同じ日本語なんだけれど、わたしが通訳して言葉を直す。そうすると、「ああ、そうだったんですか」「そうなんだ」というふうにお互いに理解できるようになっていく。「こう話すと伝わりやすいんだ」「こう聞くとわかるんだ」というような話し方の練習も必要なんです。
- 佐々木
それは二人ともにコミュニケーションがうまくない場合ですよね。
- 志村
片方の場合もある。
- 佐々木
わたしなんかはいい気なものですから、自分はうまいと思っているんです(笑)。相手がどうしてコミュニケーションの力を付けていかないのだろう、などと思うこともあるんです。
- 志村
そうですよね(笑)。わたしもそう思うことがある。
- 佐々木
そういう場合はどうすればいいんでしょう?
- 志村
本人たちではどうしようもないから、第三者が入って、やっぱり通訳が必要なんですよね。
もうお互いに譲れなくなって、違う耳を持ちたくないという気持ちになってしまう。でも誰かが入ると、違う耳も持とうかな、と思える。
- 佐々木
そういう耳を持とうと思わなくなったら駄目なんですね(笑)。
- 志村
(笑)うーんしょうがないんじゃないかなって思う。時期を待つとまたその気になることもあるかもしれないし。
わかりたくない時もあるし、しゃべらないという場合もある。うちの場合は夫はしゃべらないから。かなりコミュニケーション下手なんです(笑)。わたしね、食卓を囲むって、家族のコミュニケーションの一番大きいチャンスだと思っているの。
みんなで同じ食卓を囲んで、同じ話題を持つということが難しいんだと思う。友だち同士だって、なかなかできないでしょう?
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