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志村季世恵さん
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求めるものは「分かち合い」
- 佐々木
“sharing” 。さっき「分かち合い」という言葉が出ていたんですが。
アメリカ人の女性と結婚した日本人の男性の話ですが、妻に「あなたはシェアしてくれなかったから」と言われ、離婚となった。女性が去って行ったという話があるんです。それはそうですよね。お花とか、プレゼントとかじゃなくて、根掘り葉掘り聞いてほしいし、さまざまなことを詳しく話し合いたいという欲求があるんですよね。
- 志村
そうなんですよね。男と女が恋愛しているうちはいいのだけれどやがて結婚して子どもができ……それでね子育ての時に、分かち合いができていないことに気付いて一番最初につまづくのはそこなんじゃないかなと思うんです。
初めての子を育てるのは母親にとって、とっても不安で、この子はどうなっていくんだろう、ちゃんと育つのかな、さまざまな不安が湧いてくる。そんなわたしの不安はどうすればいいんだろう、と思っていて、その不安な心にピタッと夫が寄り添ってくれていれば、別に帰りが遅くなってもいいんですよね。
ところが、その不安を理解せず、そうじゃないところで応援してくれようとするから、それに対して女性はいつも不満で、不安で、それがだんだん家庭的なところで同じテーブルじゃなくなってくるんだろうと思うんです。
わたしの場合、うちの父は3回も結婚しているから、その点でうまかったんでしょうね。母の不安とか不満を上手にクルッと包み込む人だったんです。 19も年が違っていて、母のことを娘のようにかわいがるわけです。かわいくてしょうがないからなんでも聞いてあげるんでしょうね。だからわたしは夫婦ってそんなもんだと思っていたの。いっつも手をつないでいて一緒で、って。
それで、自分が結婚を2回してみて、「あれ? おかしいな。なんでこんなになるんだろう?」と思って(笑)。「わたし、多分100回結婚しても同じなのかな」って。もうこれだけ差があるのはしょうがない、これは脳の差なんだろうから……。
- 佐々木
こんなこと言っちゃいけないのかもしれないけれど、志村さんのようなプロが2回目にも悩みがある、と聞くと安心しますよね(笑)。
- 志村
そうかもね。もう悩みまくってます、でもね、最近ね、あきらめちゃいました。というか本当はね、その差を受け入れようとしているの(笑)。
- 佐々木
わたしもけっこう人の心を上手に読み取っているほうだと、自分では思っているんだけれど、夫はまったく成長しない。「なんでなんだろう?」って思っていた時に、そのことをお話ししたら、「わたしもよ」と言われてすごくほっとしました(笑)。
- 志村
だからみんなそうなんだと思う。世界中の人たちがそうっていうことは、これは治そうと思うよりも、ちょっとずつわかっていったところで「どうすればいいのか」という折り合いをつけたほうがいいんじゃないかなと思って、今、実験中なんです。
12/24
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