ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第142回 吉岡徹治さん

142 |
(株)プライム・ヒル代表、ジュニアゴルフマジック監督、代々木高等学校ゴルフ部監督
吉岡徹治さん
|
|
|
思いっきり行けなかった18歳の石川君
- 佐々木
そういういいシーンをイメージしながら打てと言うのは簡単だけど。
- 吉岡
そうですよね。なぜその16番で……。「あれ?」って。
- 佐々木
何でそれをマスターズまで行ってやらないかっていうのは、傍から見ていると、申し訳ないけど、よく分からない。
- 吉岡
そこを狙えないような心境にさせられるところが、あの舞台というか。
- 佐々木
そうなんでしょうね。そこで失敗することよりも、安全だと思った道を行っちゃったんでしょうね。
- 吉岡
……ように見えたかもしれないんだけれども、そういうふうに気持ちがどうしても行けないっていうかな、そこがまだ、すごく悔しかったんじゃないかな、と。
- 佐々木
どっちもダメだと始めから分かっていれば、逆に、右に行けるのにね。
- 吉岡
うん。気持ちの上で攻めきれなかったところを悔やんでいるんじゃないですか。狙ったんだけど技術的に未熟だったら、また来年も練習しようと思うんだけど。
- 佐々木
そうなんですね。だから、私はゴルフがわからないから、終わった後に、「攻める気持ちがなかった」って石川君が発言した時、それってどういう心境なんだろうかって分からなかったんですけど、今伺って、よく分かりました。きっとその1打のことなんですね。
- 吉岡
そこが象徴的だと思うんです。16歳のイタリアの高校生が今回出場していたんですね。僕はずっと注目していたんですけど、見事に予選を史上最年少で突破した。石川選手と同じぐらいギリギリにいたんです。彼は決して調子は良くなかったけれども、最終日の、予選の通過がかかった9ホールで、ことごとく長いパット、5〜6メートルのパットを次々に沈めて、予選を通過してきている。
石川選手はプロですから、彼よりもショットも正確ですし、もっといいゲームをしていたんだけれども、ことごとくパットを外していくんですね。それも、ちょっとずつ入らないんです。
だから、そういったところを見ても、打ち切れていない、自分の思ったところにアグレッシブなプレーができていなかったっていうところが、予選を通る人と、残念ながら1打足りず落ちる人の、たった1打かもしれないけれども、内面では、アグレッシブに攻めた16歳の子、それから思いっきり行けなかった18歳の石川君とは、すごく違っていたのかな、と思いますね。
※後日談−先日の中日クラウンズで石川本人に聞いてみたところ……「16番ですか……先に打ったアンソニーキム選手がものすごい球打ったんで(ピン横1m)当然! 自分も狙ったんですが、3m左に行ってしまいました……(結果アンソニーはバーディー、に対して石川3パットのボギー)あの場面であそこに打てるアンソニーキムはすごいと思いますし、それに比べて自分はまだまだなんだなと思いました。」その週に58を出して逆転優勝した石川選手もすごいと思うんですが(笑)。
3/27
|
 |

|
|