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株式会社ワークスアプリケーションズ 代表取締役最高経営責任者
牧野正幸さん
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自分が恐怖を感じるぐらい、そのエリアにおける優秀な奴って誰だろう
- 牧野
だけどやっぱり一番重要だったのは、今僕とパートナーシップ組んでる阿部と石川を見つけることだった。特に阿部を見つけるのは大変だった。
- 佐々木
どうやって見つけたんですか。
- 牧野
阿部とはプロジェクトで1回2回一緒になっただけで、ぜんぜん知人でもなかった。でも、ただその数回のプロジェクトも含めて僕は、すごいと思ってた。そのときに考えたのは、営業やマーケティングの本当にすごい人間を見つけるときに、かつて会ったことのある人間の中で、大先輩の方も若手も含めて、もう自分が恐怖を感じるぐらい、そのエリアにおける優秀な奴って誰だろうって、ずっと考えたら、もう彼しかいなかった。
ただ、彼は僕のことをぜんぜん知らないし、僕はたまたまある大手のプロジェクトの中で、IT系のフォローで入ってて、彼は事業戦略プランで入ってただけ。で、会議体で会うとね、彼はものすごい勢いでお客さんをコントロールするんですよ。要は、最初ものすごい激昂してお客さんが、「こんなプロジェクト、もうこんなんだったら解散だ!」って言っている人に、彼が淡々としゃべってるだけで、「いやなんか、そんなこと言ってて恥ずかしかった、ごめん」みたいなふうになる。すごい彼は魔法使いみたいに、そのコミュニケーション能力で人をコントロールするんですよ。
で、それを見てて、「こいつすっげえ、天才だな」と思ってた。ただ、だけどまあ、オレと今後かかわることは無い人だし、すごいやつだな、はい終了、だったんですよ、当時は。だけどそのときに、この事業を啓蒙していって多くの企業に広げていって、しかも最終的には人も教育していかなきゃなんないし、って考えたときに、彼がいなかったらこの事業はちょっと無理だなって思って、彼を説得するのにやっぱり一番苦労した。
- 佐々木
どのくらい時間かかりました?
- 牧野
まあ、最初に言ったら、「それいったい何業やるつもりなの」って言われて、で、「ソフトウエア」って言ったら、「ああ、オレ、ソフトウエアって虚業だと思ってるから嫌いなんだよね」って言われて断られて。「いや、そうじゃなくて社会貢献だ」って言ったら、「社会貢献だったら、まあちょっと話は聴くけど」って言って、ば〜っと聴いた後で「まあ面白いけど、そんなのできないんじゃない?」みたいな話で断られて。結構何回も断られた。でも、半年くらいかけて、ようやく彼を説得できて。
- 佐々木
決め手はなんだったと思います? それは牧野さんの情熱ですか。それともなんか。
- 牧野
本人は自分で検証した結果、これはいけると思ったとか言ってたかな。本当はオレの情熱が勝ったんじゃないかと思ってるけど。彼自身はね、上場企業の副社長にスカウトされていて、行くのが決まってたんで余計に悩んでた。
- 佐々木
報酬だって。
- 牧野
そう、報酬なんか、すごい少ないわけです。まあ、僕も少なかったけれど。しかもいきなり給与未払いだったし。社員の未払いはなかったんだけど、彼は最初から未払いだった。
- 佐々木
そういうことはやっぱり彼は覚悟して入っているんですね。
- 牧野
うん、覚悟してきた。社会的にきわめて意味があるということで。
- 佐々木
そのくらい将来性を見てたっていうことですよね。
- 牧野
そう、だからビジネスモデルの将来性もあるけど、やっぱ社会的に意義あるねっていうのを理解していた。
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