ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第138回 牧野正幸さん

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株式会社ワークスアプリケーションズ 代表取締役最高経営責任者
牧野正幸さん
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チャンスがあるから作ったわけじゃない
- 佐々木
その優秀な人たちは、自分が伸びる環境だし、挑戦できるから働き続けるわけだけれども、優秀であればあるほど、いつかスピンアウトして起業だってあり得るでしょう。牧野さんの姿勢としては止めないとは思うんだけど、とはいえ会社が育てた人たちがみんな流出しても困る。組織を長く続けている上で、優秀な人が居続ける組織にする工夫とはありますか?
- 牧野
やっぱり一番大きいのは、どっちの方がよりフィールドとして魅力的かっていうことじゃないですか。でも、とにかく僕は起業する目的をいつもみんなにずっと喋ってるんです。新卒にもそうだし、中途もそうだけど。
僕はね、「ビジネスチャンスだから」と言って起業する人、すごく嫌いなんです。正直僕がこの会社を起こす時は、チャンスがあるから作ったわけじゃない。むしろなんだろう、これ本当にオレがやんなきゃならないのかなって、正直悩みながら起業したんだよね。社会的には絶対これがないといけないし、社会意義があるから誰かがやらないとダメ。でもリスクがある。できれば誰かにやって欲しいぐらい。「誰かやってくれないかな」って。
だからビジネスチャンスというよりは、社会的にやらなきゃならないものを、誰がやるの?ってものをやるのが、僕は社会的に考えて起業家の役目だと思うんで。
だけど今の人は、「あのビジネスモデルは上手くいきそうだからやろう」なんて、極端な話、パクりも結構横行するじゃないですか。「あれいいね。オレも同じ事をやろう」とか。
- 佐々木
志がない、と。
- 牧野
そう。それを起業と言ってもいいけれど、まあ社会的に意義のない起業だと思う。だからワークスの社員もそうだし、これから学生でドンドン起業していこうという人には、社会的に意義のあることをやって欲しい。それが上手くいくかどうかはともかく、結果は大金持ちになっても別に構わない。別にそれは結果だから。だけど、最初から小金稼ごうと思って、ちょっと儲かりそうだからやってみようなんて、それはもう大いなる間違いで、恥ずかしいことだよって、いつも言ってる。
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