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山田昌弘さん
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「婚活」とは、意識的に結婚というのを目指して
- 佐々木
でもデータからは見ると、男性の収入はどんどん低くなってきて、若者は稼ぎがなくなっているということでしたよね。
- 山田
結婚しなくなってきている。「婚活」もすごい誤解が大きい言葉で、最近困っているんですけれども。「婚活」ってお見合いパーティーに行くことかみたいな感じになってきているので。
- 佐々木
では再定義してください。
- 山田
「婚活」とは、意識的に結婚というのを目指して、いろんなことをやっていこうということですから。お見合いパーティーに行かなくても、自分の活動範囲を広げて、出会う人の数を増やすことはできるわけじゃないですか。
- 佐々木
それに、そもそも結婚とは何ぞやというのが、もう少し、学習できているといいなと思ったんですね。先日アメリカで行われた女性社長が多く集まる会議に出たら、その会議のある分科会のワンシーンで、ある大企業の女性役員が「女性にとっては、自分のキャリア開発よりも一番難しいのは、あるいは大切なのは、夫選びだ」と発言していました。その話を15年前に聞きたかったって思ったんですけれども。
やっぱり自分のキャリアは、自分のやる気で高めていくことができるし、方向転換もできるし、チャレンジもできるんですけど、結婚って、自分ではどうにもできない部分もある。自分が高まったから相手に高まれといっても、高まらなかったりということがありますから。ビジネスウーマンにとって重要なのは夫選びだという言葉を聞いて、重いなと思いながら話を聞いていたんですね。そういう意味では「婚活」という一部に、結婚とは何ぞやとか、どういう夫婦関係とは何なのかを考える時間でもある。
- 山田
だから結局、男性も女性もキャリアが多様化しているので、結婚生活で、2つのキャリアを摺り合わせるものだという意識を持たなければと思っているんですよ。今まではデフォルトとして男は仕事、女は家事というのがあったので、この人が好きだということで結婚して、それでうまくいっちゃったわけでけれども。今は男性も女性もいろいろなキャリアを目指していると。そうすると結婚して共同生活をすることは何かと言ったら、キャリアを摺り合わせることなんですよね。その摺り合わせなくてはいけないということを分かってほしいというのが基本で、「婚活」の中で書いたんですけれども。
- 佐々木
それ以上に言葉がヒットしちゃったんですね、きっと。
- 山田
私はしょうがないから取材をたくさん受けて、そう説明しているんですよ。『パラサイトシングル』のときもそうだったんですけれども。
18/24
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