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窪木登志子さん
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一番不利なことを言ってください
- 佐々木
今の話を伺っていると、私は素晴らしいサービスを受けてきたんだと再確認したんですが、いつももう一つ窪木さんが立派だと思っているのが、精神の安定。弁護士って、人の嫌な話ばかりを聞くわけじゃない?
- 窪木
ストレスが多いところをね。
- 佐々木
そう。外では言わないようなトラブルを話したり、誰かに怒りを感じて嫌な部分を出してくるわけでしょう? 常に顧客はストレスを持ってくるわけですよね。それを朝から夜まで365日聞いていて体にストレスが溜まるんじゃないかと思って。でも窪木さんは、いつも穏やか。
- 窪木
そういうことも、きっとあると思うのね。肩が凝ったり。でも、基本的には依頼者がストレスを解消していくのが見えるんですよ。だから一番早いときは、入ってきて、肝臓が悪いのかな、というぐらい顔色も悪くても、お話をして30分とか1時間して帰っていくときには、本当に肩が軽くなって出ていく、というようになるんです。それに局面を変えて言うと、本音でしょ? 全部いつも本音なんですよ。私を信頼してくださっているというのが、またすごく私にとってはエネルギーになるというか。
- 佐々木
確かに、弁護士に嘘をついても飾ってもしょうがないから。
- 窪木
そう。一番不利なことを言ってくださいって、そこからスタートする。それで本音を言ってくれるということは、それだけ信頼してくださっているんだ、ありがたいな、という感じなの。もっと言えば、全部部吐き出したらいい、と。だから、家事法なんかの場合は、もう、涙のほうがいいんですよ、特に1回目のときは。
- 佐々木
カタルシスなのね。窪木さんの前で、カタルシスで皆吐き出しちゃうんだ。体から全部出しちゃうんだ。
でもそれは、全然違うんですけど、起業する前に20代前半で仕事をしていたトレーニングでは、数日間のうちの1日にカタルシスがあって、自分のうまくいっていないところなどを見ながら、出す。1対数十人だからかもしれないけど、部屋中に、皆が吐き出した悪いエネルギーが充満してくるのが分かって、すごく具合が悪くなった経験があります。だから、いくら最後には抜けるというか、喜びようがあるにしても、やっぱり何か溜まっていっちゃったりするものがないのかな、と。
- 窪木
きっとあると思う。だから変な話、お祓いをしなさいとか言ってくれる人もいるし。でも私なりにそれを解説すると、大体大きな神社って森の中にあるじゃないですか。森の中に行って深呼吸をしてくるのが一番だと思うの。
- 佐々木
じゃ、熊野や屋久島に、年に1度とか、いいかもしれませんね。
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