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野口悠紀雄さん
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日本の国民は全く気がついていない
- 野口
そうです。アメリカは広いと思うのは、何にもない畑のところにいるからでしょ。それは土地的には使っていないから広いと思うので、土地的な要素に使っている土地の面積は、日本とアメリカにそんなに大差はないですよ。だからアメリカが広いというのは間違いなんです。
使い方が下手なだけなんです。それと日本は住宅にお金を使っていないんですね。アメリカは使いすぎなんですけど、それが今回のサブプライム問題ですが、それは別としてね。使っていないんですよ。それから日本って食品が高すぎるんですよね。アメリカのほぼ2倍なんです。それは輸入に高関税をかけているから。このことを日本の国民は全く気がついていない。だから生活を豊かにするにもお金がかけられないですよ。
- 佐々木
住環境の豊かさは本当に大切なはずなのに、食が原因というところは私は気がつきませんでしたけど。
- 野口
原因の1つですけどね、そんなに大きくない。
- 佐々木
住宅に関しては、ほとんどの人が、実際に海外の人たちがどんな家に住んでいるか、どんな生活をしているかを見たことがないから、日本の、自分の目の前に提示された2つの物件から選んでるだけ、という気もするんです。
それから、私は建て売り屋が日本人の居住空間に関してのマインドを悪くしているとも思っているんです。以前、家を買うためにいろいろ新築、建て売りも見に行きましたが、
本当に面白くない、工夫のない、幸せ感のない家ばかりでした。私が、「壁紙の色、替えられますか」とか「天井はどうしてこんなに低いんですか」とかいろいろ質問すると、20代の不動産営業マンが「普通、買う方はそういうことは言いません」なんて言うんですよね。
- 野口
住宅はね、建物にお金をかけられない理由は土地が高いからなんですよね。土地が高いのは全体の存在量が少ないからではなくて、無駄に使っているからなんですよ。東京の場合でいって、農地なんですよ。それから古い借家がそのままの形で残っているんですよ。これを変えれば随分変わる。例えば私は吉祥寺に住んでいるんですが、隣の杉並区は非常に大きくてですね。
- 佐々木
世田谷も多いですね。
- 野口
世田谷も多い。私はね、あれは税制の問題だと言っているんですよ。農地が頑張っているから、道路も狭い。
- 佐々木
先生は都会には農地をなくしたほうがいいと。
- 野口
当然じゃないですか。
- 佐々木
それで住宅地をもう少し広く?
- 野口
住宅地じゃなくて公園だっていい。農地は入れませんからね、公園なら入れますからね。
- 佐々木
みんなが有効利用ができる場所ということですか?
- 野口
都会に緑が必要だから農地を残すなんて私は納得がいきません。農地は入れないですから、緑を入れたいなら公園の中に作ればいい。農地にしている理由は、農地は固定資産税が低いからですよ。
- 佐々木
アメリカなどのように、農地は農地でドーンと大きく。
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