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鈴木 淳子さん
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24時間365日
- 佐々木
想像以上にきめ細かい仕事をしているわけですが、一家族の悩みを課題を丁寧に解いていこうとすると、相手もそう論理的には動かないだろうし、すごく時間のかかる仕事ですよね。
- 鈴木
そうですね。とにかく諦めずに、長期的に、継続的に、そして、常識性と日常性を大切に考えます。
- 佐々木
24時間365日体制ですか。
- 鈴木
24時間体制というか、一応、電話や何なりでつながるようにしてあるのですが、そうはいっても、消防や警察とは違います。110番のようにすぐに駆けつけてくれるものと誤解されることもありますが、そこまではちょっと。
- 佐々木
でもこの10年で虐待の通報は4倍に増えたという報道を聞いたように思いますが、人員は4倍に増えていないわけですよね。
- 鈴木
そうですね。やっぱり、24時間で電話を受けているので、虐待通報で、緊急で確認をしに行かないといけないときは、すぐに当番のところに連絡がきて、2人とか3人とかで行くということになります。
今は、月に5、6回当番の日があるのですが、休日も気が休まらず、あまり出かけてしまうこともできないし、もちろん、夕食に一杯やるなんてできないので、休んだ気がしなくてつらいですね。この前なんて、二日連続で夜中の2時に起こされて、次の日の仕事はつらかったです。虐待対応の係りの人たちは、365日そんな状態なので、気の休まる暇がないだろうなと思います。
地域や関係機関とネットワークを作り、見守りを頼んでいるので、一報が入ったらすぐにかけつける。児童相談所の先頭に立って、子どもを守るためにつき進んでいくっていう感じです。子どもの幸せのために、ってすごく使命感に燃えて仕事をやっていますが、そういうポストは何年も続けられないんじゃないか、と思います。
一時保護所もほとんどいつも満員で、複雑な事情で入所している子どもばかりなので、不安定になりやすくて荒れるし、いじめや暴力が無いように、起きたらすぐに指導したり守ったりできるように、常に子どもの様子にアンテナを張って、すぐにその場での適切な対応が求められます。リストカットや反抗、暴言暴力、性的な問題、過呼吸発作やパニックなどあって、個別処遇が必要ですが、施設面、人的面の体制上なかなか難しいです。児童福祉司も、親と面接するためには、夜間や土日にやらざるを得ないですね。そういう噂もあるからか、最近、児童相談所を希望してくる人が減っているようです。
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