ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第121回 田澤 由利さん

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田澤 由利さん
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読者感想はがきのところに書くんですよ
- 佐々木
何歳で会社を辞めたんですか?
- 田澤
結婚が27歳だから、29歳ですね。6年半働いていますから、そんなもんですね。
- 佐々木
29歳くらい、パソコンを勉強したからといって、フリーのライターに、いきなりは、なれないですよね。
- 田澤
どう考えても、なれないですよね。
- 佐々木
でも、どうやって? 一番初めのフリーの仕事って何だったんですか?
- 田澤
話が長くなっていいですか? もう、語ると長いから。本当にこれも自分は運がいいと思っているんですけど。
それは奈良の実家で、お腹が大きい状態で、パソコン雑誌ばかり読んでいたわけです。で、とにかく、どこかに何かを働きかけないと始まらないだろう、と。下手な鉄砲、打つだけ無駄かもしれないけど、もしかしたら、どこかに引っかかる可能性もあるな、と思って。
まずやったのは、雑誌の後ろにある、読者感想はがきの所に、小さい自由欄ってありますよね。あそこに、「私、こういう者で」って、小さい字で書くんですよ。で、「パソコンに関して色々やって、ライターになりたいと思いますので、うにゃうにゃ」と書いて送るというのを、まめに毎月やったんです。それと、ちょっとでもシャープ時代に知り合った雑誌関係の方とかに、履歴書をバーンと送りつけたりとか、いっぱいやったんです。
でも全然ダメで。当たり前なんですけどね、今から考えると。ライターは、男性が中心で、特にパソコン関係しか私は書けないし。マニアな方ばかりで、しかも最新情報が必要なので、当時、インターネットもろくにない状況ですから、東京在住じゃないと絶対に無理なんですよね。奈良から、妊娠中の女性がなんて。
- 佐々木
最新情報を入手して書く、なんていうことは。
- 田澤
「とんでもない!」みたいなことだったんですよ。だから、どう考えてもありえないんですが、当時はもう、とにかく必死だったので、いろんな人に、「ライターになりたいんです」という、メールは出すわ、手紙やファックスは出すわ、そういったことをしていたら、たぶん100のうちの1つの弾が、かすったんですね。
昔お付き合いがあった、ある女性社長さんが、「パソコン雑誌を今度創刊するところがあって、そこは初の女性編集長で、新しいライターさんを探しているらしい。挑戦してみたらどうだ」と言ってくださったんです。で、「これは、すごいチャンスだ」と。女性編集長なら、ちょっと面白いから。
- 佐々木
誰ですか? それ。
- 田澤
誰だと思います? 当時、技術評論社の大塚葉さん。今は日経BPでご活躍ですね。
- 佐々木
へえ、大塚さん。そこでお会いになったんですね。
11/25
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