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藤原和博さん
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和田中の図書室は第二の保健室
- 佐々木
できる人というのは、その仕事ができる人。
- 藤原
時間があり、かつ、志があって、コミュニケーションをするのが苦でない人。そういう大人を集めてくる。子どもたちの中には、部活に出る元気のない子がいるわけですよね。なんらかの障害がある子もいるし、それから、ちょっと人間関係が得意じゃないとか、そういう子もいる。教室に居場所がなかったりして、家に帰ったって誰もいないんだから、そういう子が図書室にたまる。 和田中の図書室は「第二の保健室」と呼ばれてるんだけど、そういう子がいて、そういう子に「漫画を読んでればいいんじゃないの」「今日出た宿題やっちゃったら?」みたいに地域のおばちゃんが声をかける。地域のおばちゃんは別に、司書の資格なんてどうでもいいわけで、あれこれ指導するわけじゃなくて、聞いてきたときだけ答える。もちろん人生も含めてですよ。
そうすると、先生は気づかないのに、おばちゃんだけが気づくことがあったりさ。「ナナメの関係」でいろんなことを発見したりする。 いじめられている子は先生とか親には絶対に言わないから。つまり先生とか親のように、自分が好きだったり、自分が習っている人に対して、自分がやられる側に回ってしまったということを告白したくないという「プライド」があるわけですよ、小中学生にはね。死んでも言いたくないっていう「プライド」。 なんであんなこと、つまり、いじめられて自殺に追い込まれちゃうような重大なことが分かんないのかって、子どもをまともに育てたことがない人はみんな無責任に言うんだけど。じっさいには、分からないようにしているのよ、やられている方も。だから、哀しいくらい、分からない。
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