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久保純子さん
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満足感を得て帰りたい
- 佐々木
もうちょっと、「久保純子、ここにあり」みたいな感じを出したかった。
- 久保
議論したり、お互いの考えを話し合ったり、何か、自分の中で満足感を得て帰りたいな、と思っていたんですね。
- 佐々木
で、2年目は満足感がありましたか。ディベートで勝ったとか?
- 久保
いや、でも、そう言われてみると形として、賞をとったとか、試験に受かったというのではないんですけれども、違う意識をもった、価値観をもった人達の中で生活していく術は、完璧に心得たような気がするんですよね。
- 佐々木
すごいですね。
- 久保
1年目はとても辛かったんです。ホームステイだったので、ホームステイ先のホストマザーやホストシスターと、うまくいかなくて、何かトラブルがあったときは、一人離れ孤島でした。何か、悲しい戦いで。
- 佐々木
一人ぼっちで、誰も守ってくれなくて。
- 久保
それで、いつも敗北感に浸っていたような。
- 佐々木
戦えないほど英語ができないわけじゃないから、向こうは「ちゃんとできるじゃない」と言うんだけど、それが実は「いや、言いたいことは言えてないのよ」っていう敗北感になる。
- 久保
そうですね。思ったことも、ここまでしか口にできないという、言葉の問題ももちろんのこと、気持ち的にも日本の義理人情とか、「ここまで言ってはいけないんじゃないか?」という我慢があったりとか。
- 佐々木
何もできないんじゃなくて、ちょっとできるから、向こうは普通に接してくるんだけど、こっちは、実はかなりの日本文化を背負っていて、自分の中で限界を決めたりしているから、よけいに苦しかったりする。
- 久保
守りに入ってたんです。
- 佐々木
あるいは、比較したりしませんでしたか? 私は、留学当初、よくしてしまいました。「日本では、こういうときに、こういうことを言わないのに」なんて、いきなり日本人を背負った思考になってしまったり。
- 久保
ありました。だから、1年目は忍耐力、2年目は行動力、ということかなと思うんですけど。
- 佐々木
いいなあ。それを聞くと、私も、もう1回、あと1年ぐらい住んでみたいな。
- 久保
もうちょっと、いたかったですね、反対に言えば。大学も向こうで行きたかったです。
8/23
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